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アメリカから中国に輸出を禁止している半導体。現在盛んに開発されているAI研究用の半導体は高額で取引されているのですが、今月17日アメリカ大統領はこれまで中国に輸出できていた低性能のAI用半導体も輸出を禁止すると発表しました。

人工知能AI。特に今年はAIによる画像生成から、チャット形式で質問してAIが回答してくれるというサービスが急速に普及したAI元年ともなりました。そのAIの精度を決めるのはAIにどれだけ処理をさせるのかがキモになっています。つまり他社よりも良いAI精度を出すには更に高性能なハードウェアを用意いする必要があるという意味です。

その処理を行う米半導体大手NVIDIAのハードウェアは爆発的な人気となっており、中古価格が新品価格も上回るレベルとなっているとされています。

そんな中、バイデン大統領は今月17日、これまで中国に輸出が許可されていた性能の比較的引くローエンドモデルのAI半導体の対中輸出を新たに禁止すると発表し、これをもって米国からの中国へのAI半導体はすべて完全に遮断されることになります。

また新たな規制には既存の輸出基準を満たすAI半導体でも企業に出荷報告を義務付けることが盛り込まれるとしており、今後開発される半導体も含め対中輸出を行うにはアメリカ当局に審査を受ける必要があるとしており「事実上不許可となる」ということになります。

▼NVIDIA H800 端子部分はPCIExpress形状となっており、業務用だが一般向けPCでも挿さると考えられる。
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現在アメリカではNVIDIAが開発した「A100」「H100」というモデルのAI研究用半導体を去年輸出規制で販売できなくなり、NVIDIAはこの対中輸出に準拠する「H800」を開発したものの全面禁止となります。NVIDIAは全体の売上の20%を中国に依存していることもあり今回の発表を受けて約5%ほど株価が下落しました。

ちなみにH800についてはH100と比較して、チップ間のデータ転送速度が半分になっているモデルで、800シリーズ製品は中国企業のアリババやバイドゥ、テンセントのクラウド部門で採用されていました。

ちなみに価格はH800の価格は不明ですがH100は1基あたり4,945,000円(税込 5,439,500円)となっており、中古価格ではこれの2倍ほどの価格で取引されていると需要が高く入手が困難になっています。

参考