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先日、韓国で初めて確認された牛に感染するランピースキン病。感染力も強いくインドでは10万頭以上が一年に死んだとされているのですが、仮にこれに感染した牛肉や牛乳が出回った場合、人体に影響はないのでしょうか?

今後日本でも流行する可能性がある牛の感染病ランピースキン病。主に蚊などの吸血昆虫により伝播し感染した場合は死亡率は1~5%、または10%以下といういくつかの調査結果がでています。

韓国メディア朝鮮日報によると、国内(韓国)で確認されているランピースキン病については現在感染している牛についてはすべて殺処分の対象となっており、市中に感染した牛肉や牛乳が出回ることはないとしています。農食品部室長は「ランピースキン病は牛にのみ感染するもので人に感染する恐れはない」と説明しています。

ただし、一度ランピースキン病に感染した場合は畜産物の国際貿易が中断されることがあるといい、根絶にも長期戦になるため長期間の経済的な損害がでる可能性があります。

ランピスキン病ウイルス

ランピースキン病を発症するランピスキン病ウイルス(LSDV)は牛の壊死性皮膚結節では最大33日、乾燥したかさぶたでは最大35日、革に18日間ほど生存することがわかっています。ウイルスは日光や死亡溶媒を含む洗剤には弱いことが分かっているものの牛舎のような日光が直接あたらないような環境ではさらに長期間生存することができると考えられ、最長でも数カ月間生き残るとされています。

主に蚊を介したウイルスの伝播があるもののそれ以外にも牛の血液、唾液、精液、鼻水といった体液、またそれが含まれる飼料や水によっても伝播する可能性があるとされています。

感染を予防するワクチンがある

このウイルスは第二次世界大戦より前の時代から確認されており既に感染を予防するワクチンが存在しています。当時アフリカ大陸でのみ発生する風土病とされていたものの2012年ごろより中東やヨーロッパエリアで確認され、現在はアジア極東となる韓国まで到達したということになります。

予防する唯一の方法はワクチンしかありません。既にLSDV用として生きたウイルスを弱めた生ワクチンが存在しており、牛に接種した場合は10日以降に抗体が作られるとしています。予防率は最大で80%~95%とされ国内で発生した場合は2年間ほど対策を続ければ根絶できる可能性があるとしてます、

感染を防ぐために感染した牛や感染した可能性のある牛も含めた殺処分などでは防ぎ切ることはできないのはこれまでの例からも確認されています。ワクチンの接種も含め施設の清掃と消毒もあわせて必要となってくるとしています。

参考