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ガザ市の包囲に成功したイスラエル軍。今後本格的なガザ市攻略、つまりハマスの殲滅作戦が開始されるもののハマスがこれまで構築した広大な地下トンネルに苦戦されることが予想されています。どのような作戦が今後実施されるのでしょうか。

今月3日、イスラエルは地上軍を用いてガザ市南部から侵攻。そのまま海岸線まで到達しパレスチナガザ区からガザ市全体を包囲することに成功しました。現在陸路でガザ市から外に逃げ出す方法はほぼ無いと考えられるのですが、今後ガザ市に潜伏する武装テロ組織ハマスをどのように殲滅するのでしょうか。

この内容はポーツマス大学マーケティング・イノベーション学部ティーチングフェローのクリストファー・モリス氏が分析・予想したものを一部紹介しています。

What the Israel Defence Forces can expect when they enter the 'Gaza Metro' tunnel system
https://theconversation.com/what-the-israel-defence-forces-can-expect-when-they-enter-the-gaza-metro-tunnel-system-216767

まず彼によるとパレスチナのガザ区、つまりイスラエル東側に位置するところには総延長300マイル、約480kmにおよぶ広大な地下トンネルネットワークが張り巡らされていると考えられています。このトンネル技術は北朝鮮から指導を受けたとも言われており、トンネルの大半は大人二人がすれ違うことができる程度の直径になっていると考えられています。

現時点でイスラエルが地下トンネルをどこまで正確に把握しているのか。ハマスが2012年以降に地下トンネルを構築する間、イスラエルも地下トンネルを攻略する方法を研究してきたとされています。しかし都市の下に無数に広がるトンネルについて正確に把握することは不可能と考えられ地中レーダーを用いても探知できないほどの深さにまで広がっているとされており、攻略は非常に困難になることは容易に想像できます。

イスラム国も地下トンネルを作っていた

現在は殲滅されているかつてのイスラム国のテロリストについても実は大規模な地下トンネルを構築していました。このトンネルの出口の把握などは困難であり空爆による事前の破壊なども難しかったとされています。

またトンネルに罠が仕掛けられており地上軍の侵入というのは非常に危険かつ困難だったとしています。ガザ市のハマスに至っては拉致した人質どころか一般のパレスチナ人を人間の盾として使い捨てにする可能性も高いとされています。 事実ハマスの地下トンネルは民間施設の地下に構築しています。都市に地下空間を作るとなるとどうしても民間施設の下になり仕方ががないとも言えるのですが、ハマスの大規模な拠点がガザ市にある民間の大病院の下に構築しているとイスラエル軍側が発表しており、民間人を盾に使おうとしているのは間違いないとされています。

ハマスの地下トンネル・施設攻略で被害

いずれにしてもハマスの地下施設を破壊し攻略なければガザ市の占領とはなりません。食料なども相当備蓄されていることは確実です。

テロリストを始末するには通常兵器を使う以外にもいくつかあります。水や食料を遮断し戦力を奪い餓死させる方法、電気を遮断すれば換気もできず暗闇では戦えないため追い出すことができる方法、場合によっては近くに海があるため大量の水を流し込むことで水死させる方法、そして日夜連続で攻撃をしかけ騒音で睡眠させず精神的追い込む方法もある考えられます。トンネルの出口が民間施設に設けられていることは確実であり、イスラエルとしてはガザ市全体の建物を進軍しながら物理的にすべて破壊し攻略することも想定していると思われます。

いずれの方法も数週間でハマスを殲滅できるものではなく数ヶ月、早くても半年程度の時間は要すると考えられ、この間攻撃に晒されるイスラエル軍の被害も相当な被害が出る可能性があります。