
ベジタリアン、菜食主義者。彼らは様々な理由から野菜中心の食生活をしています。このような人たちを科学的に分析した結果、遺伝子レベルで菜食主義者になりやすい点が特定できたと報じられています。
健康のために野菜中心の食生活にしようと思っても、どうしても肉が食べたくなってしまったという人は少なくないはず。逆に、肉が嫌いで特に意識しないうちにベジタリアンになったという人もいます。そんなベジタリアン約5000人と、非ベジタリアン約33万人のゲノムを解析した研究により、菜食主義と関連する遺伝子が特定されました。菜食主義と非菜食主義者について、そもそもどのような理由で菜食主義者になったのかは例えば親が菜食主義者だったというケースや、何らかの外的な影響も考えられます。この外的影響については例えば動物保護や環境を守るという何らかの情報によるものです。
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アメリカ・ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部のナビール・R・ヤシーン氏らベジタリアンだと主張する5000人とそうではない33万人の遺伝子を分析した結果、18番染色体に菜食主義と関係している一塩基多型(SNP)、つまり遺伝子の変異である「rs72884519」というものがあったといい菜食主義と関係している可能性が高い遺伝子31個、合計34個が見つかったといいます。
具体的に何が違うのかというについては、脂質の代謝や脳機能に関連した遺伝子も含まれ変異があると普通の人にはない脂質の蓄積や中枢神経障害を起こす病気の発症が高まるとしています。
研究者によると菜食主義者と非菜食主義者は脂質の代謝と脳への影響の違いがあるといい、彼らは野菜中心の食生活を選ぶ上で重要なのではないかと考えています。あくまで推測の話しとして「肉には一部の人にとって重要な脂質成分が含まれており、遺伝的に菜食主義を好む人はその成分を体内で合成することができるのではないでしょうか」と説明しており、遺伝子的に双方が異なる理由を挙げています。
ただし、記事では菜食主義者は女性が多いこと、年齢は若く、BMI値は低く、職業状況などから算出されるタウンゼント剥奪指数が高いつまり社会経済的地位が低いことが分かったとしており、菜食主義者が遺伝的に決まるというよりも特定の層に偏っていることも示されています。
記載内容は以上ですが、これまでの研究から菜食主義者らは現在また過去に鬱を患っている傾向が多いことが分かっています。
合わせてうつ病など心の病気を抱えている人はこれまでとは異なる『全く別の行動』に出る場合があることも分かっています。この行動は自己治療ようなもので自身の何かを変えようという心理が働いているとしています。合わせて鬱をかかえている人は動物に対して感情移入しやすい傾向があり、結果ベジタリアンの道を進むという可能性も示唆されています。