MQ-9

情勢が悪化している中東地域に関して、アメリカ空軍によるとアデン湾を飛行中のMQ-9がイエメンのイスラム系反政府武装組織フーシ派に撃墜されたと発表しています。このフーシ派に武器を供与しているのはハマスと同様にイランとなっています。

Defenceblogなどによると撃墜されたのは今月9日、国家安全保障担当首席特派員ジェニファー・グリフィン氏によるとイエメン沖の公海を飛行中のMQ-9リーパーが同国の反政府勢力フーシ派が発射した地対空ミサイルにより迎撃され墜落したと発表しました。

MQ-9は当時、フーシ派がイスラエルに向けて弾道ミサイルを含め各種巡航ミサイルを発射する一連の攻撃が行われたことを受けて監視する任務で飛行していたとしており、もちろん領空などには入っていなかったとしています。

一方でイエメンのフーシ派は「イエメンの領海上を飛行中のMQ-9を撃墜した」「敵対的な監視とスパイ活動をしていた」という声明を出しており、彼らは防空のため無人機を撃墜したと主張しています。
こちらがフーシ派が発表した映像になります。

またフーシ派は無人機の活動は「パレスチナ人に対するイスラエルの侵略を支援するために行われた」とも主張しているものの具体的な証拠は無いとのこと。合わせて「国を守り「敵対的な脅威」に抵抗する権利を擁護し、イスラエルに対する軍事作戦を継続する」と主張しているとのことです。

先程の映像について、あくまで動画で見る感じではミサイルを回避するためのフレアの放出は確認できずチャフといったものも放出されたいのかは不明です。また回避運動が全くとられていないという不自然さも感じることろがあるのですが、いずれにしても撃墜されたという事実にはかわりはなく、中東情勢が更に悪化した場合は今後アメリカからの反撃が行われる可能性が高まっています。

MQ-9 リーパー



MQ-9リーパーは無人攻撃機として運用されているものの長い航続距離と高い監視能力があり長時間滞在型の偵察としても運用されています。カタログスペックとしては航続距離は約6000km、飛行高度は7600mで滞空時間は14~28時間となっており、連続した偵察・攻撃活動が行なえます。

兵装としては合計4つのパイロンを搭載しており、ここに各種兵器・偵察用のセンサーなどを搭載することができます。搭載量は合計で最大1.4トンです。

この長い航続距離と滞空時間からMQ-9は海上監視用レーダーを搭載した『シーガーディアン』という派生型も作られており滞空時間は35時間に延長されています。