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先日イスラエル軍はガザ地区最大とするシファ病院に突入し、病院から地下通路の入り口(立坑)や武器・弾薬を発見したと発表しました。しかし現時点でこの病院を拠点とし地下に司令部があるという明確な証拠が発見できていません。

イスラエルグは現地時間15日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスが拠点を構えているとするシファ病院に突入しその一部の映像などが公開されました。イスラエルはこのシファ病院の地下にハマスが構築した大規模な司令部があるとし、これまでもそのような主張を続け進軍していました。

今回の作戦で現在イスラエル側の主張として院内で作戦司令室のほか様々な軍事装備品、 諜報ちょうほう 関係の資料などを発見したと説明。合わせてテレビ報道でもされているようにハマスが使用していたとする自動小銃や弾薬、防弾チョッキを発見しました。

ただ、これらの映像について問題は捏造することができるという点です。発見したのは確かにAk-47といった東側兵器だったもののこのような兵器はイスラエル側が内部に持ち込む形で再現することは可能であり映像で本当にあったのかは判断することができません。

またこのような兵器がMRIの検査室に隠されていたと説明しているのですが、MRIというのは基本的に検査中に金属は置いてはいけない部屋であり、そこにハマスが武器を隠したというのも一理あるものの発見した武器については量も少なく不自然さを感じます。

確実な発見には至っていない

現在イスラエル軍はシファ病院に対して離れたり入ったりを繰り返しているとされているのですが、あくまで15日時点の作戦で地下施設にアクセスできるであろう立坑のようなものは見つけたものの、非常に出入りがしにくいものであり司令部があったというには構造的にも疑問があるものになっています。

イスラエル軍はシファ病院の25%ほどしか探索できていないとしているのですが、確定的な重大な発見は事実上ありませんでした。ハマスの司令部があると言う割には抵抗が少ないという印象もあります。

イスラエルとしてはこの病院および地下がハマスの中心的な拠点になっていたと繰り返し主張しています。ハマスとしてはイスラエルが地上侵攻を始めた時点で証拠を消した可能性も相当高いものの地下施設までは消しさることは難しいと考えられます。ただし意図的に破壊し隠蔽した上で南部に拠点を移すという方法もとることができるため状況は難しくなっていくものと思われます。