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今も世界のどこかの海で航行しているのはアメリカの弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦です。この弾道ミサイル潜水艦には大量の核兵器が搭載されており、いつ発射命令がきても対応できるように核攻撃に備えています。さて今回紹介するのはそんな時に必要な特殊なブイです。

アメリカ海軍が運用している弾道ミサイル原子力潜水艦としてオハイオ級があります。このオハイオ級原子力潜水艦には水中から発射できる弾道ミサイルが複数搭載されており、たった1隻で少なくとも1つの国程度であれば崩壊させることができます。

その核攻撃の判断は艦長ではなくアメリカ政府、大統領が担っているのですが、問題は核攻撃の指示はいったいどのように受信しているのかです。ご存知のかたも多いように水中では電波が伝わりにくく特に深く潜った状態では一切の電波の類は受信することができません。

そこで利用されているのはブイフライと呼ばれている装置です。AN/BRR-6/6B 曳航ブイ アンテナ システムと呼ばれています。

オハイオ級原子力潜水艦にはブイフライが2つ搭載されています。海軍核指揮統制通信 (NC3) の戦略的要件をサポートし、アメリカ合衆国大統領 (POTUS) と弾道ミサイル潜水艦 (SSBN) 間の通信受信を接続するという唯一の機能を備えているとしています。

具体的にどのように使用されているのかはもちろん明らかにされていません。ただし想像としては水中に潜りながらこのブイを水面もしくは水面の下まで浮かばせ低周波(LF)、超低周波(VLF)、中周波/高周波(MF/HF)帯域の送信を受信するものになっているとされています。特に超低周波(VLF)であっても水面から30メートル程度しか受信することができず。これよりも浅い水深までブイを伸ばすというものになっています。

▼オハイオ級原子力潜水艦のイメージ図(深度もイメージしたもの)
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核攻撃を行うためのVLFによる送信は緊急アクション メッセージ(EAM)として知られるメッセージを送信する主な手段となっています。EAMは核攻撃の実行および中止の命令が米軍のすべての抑止力に送られるメカニズムです。送信は陸上のVLFサイト、そして終末飛行機としても知られるE-6B マーキュリー戦略指揮所航空機が担っており、メッセージは原子力潜水艦に送信するために使用されています。