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1隻あたり1000人以上が乗り込む超大型クルーズ船。しかしこのようなクルーズ船で度々問題になるのは人から人に病気が感染する船内感染です。いったいなぜクルーズ船では感染爆発が発生しやすいのでしょうか。

今月、クルーズ船グランド・プリンセス号で発生したのは多くの乗客が胃腸炎(予想ではノロウイルス)と新型コロナウイルスに二重感染するという船内パンデミックです。この自体については最近解消されたとして収束宣言がだされたのですが、ダイヤモンド・プリンセス号でも発生したような相次ぐ船内における感染症の多発について背景にいったい何があるのでしょうか。

From COVID to gastro, why are cruise ships such hotbeds of infection?
https://theconversation.com/from-covid-to-gastro-why-are-cruise-ships-such-hotbeds-of-infection-217534

グリフィス大学看護助産学部看護学科教授によると、クルーズ船が感染のホットスポットになるという理由について、発生しやすい胃腸炎の発生についてこれまでの記録から90%がノロウイルスとなっています。これは知られているように強い感染力があることが分かっています。

そして呼吸器感染症としては新型コロナウイルスをはじめとする感染爆発しやすいコロナウイルスやインフルエンザが主となっています。

ノロウイルスは汚染された物体や汚染された食品や水を介して感染することがあり、コロナウイルスといった風邪のウイルスは飛沫や空気感染で広まります。

なぜクルーズ船で発生しやすいのかについては単純で食堂、カジノ、バー、劇場での社交活動中など人々は狭い空間に長時間密集する傾向があるためです。その環境で行われるのは人々が笑ったり、叫んだり、大声で話したりするためより多くの飛沫やエアロゾルが放出されるためリスクも高まります。

さらに乗客です。複数の国から乗り込む可能性があり、世界のさまざまな地域からのウイルスの変種を連れてくる可能性があります。インフルエンザは陸上では通常季節性(主に晩秋から早春)で発生することが知られているものの、海外からの乗客が乗ったり国際港に寄港したりするクルーズ船内では365日いつでも発生する可能性があるとのこと。

そして乗客の行動にも理由があります。そもそも楽しい旅として乗り込むため例えば乗船時にすでに体調が悪かったり、乗船後に体調が悪くなったものの治療費を払いたくない、隔離させられたくない、などの理由から感染が広まりやすくなるとしています。

さらに多くの場合で食事はビュッフェ型式となっており、不特定多数の人が同じ空間に出入りし不特定多数の人がトングを手に料理を入れるということを行っています。このように新型コロナウイルスで危険される行為や環境がクルーズ船内では当たり前となっており、結果的に爆発的な感染拡大が発生してしまうと説明しています。