あけぼの 護衛艦

先日、中東のアデン湾で哨戒活動を行っていた護衛艦あけぼの付近にイランから支援を受けるイエメンのテロ組織フーシ派から弾道ミサイルが打ち込まれる事案があったと発表されました。今回はどのような状況で発生したのかアメリカメディアからの情報を紹介します。

この事案は日本時間2023年11月26日に発生、28日午後に発表したもので当時アデン湾でアメリカのイージス艦(駆逐艦)メイソンなど複数の艦艇で哨戒活動を行っていたところ、メイソンから「弾道ミサイルが発射された」という情報を受け取り発射から30分が経過した後で移動を始めたとしています。

この弾道ミサイルは護衛艦あけぼのから18km離れた地点に落下したとされており、状況からは既に落下した後に動き始めたということになります。これは逃げるために移動したというよりも次の攻撃が行われる可能性があるため移動した可能性が高いと考えられます。

あけぼのはミサイルを迎撃したり探知することはできない艦艇であくまでアメリカの情報から移動などしたということになります。

海賊を拿捕した後に発射

アメリカ軍によると、当時アデン湾では紅海を航行中の商業タンカー『MVセントラルパーク』から緊急通報を受けて現場で対応がされていました。その対応とは同船が攻撃を受けているという信号を発していたもので、メイソンおよび日本のあけぼのなど複数の艦艇が対応にあたりました。

メイソンが中心となり対応にあたり船と乗員の釈放を要求。場合によっては攻撃突入も辞さないと判断したのか武装した海賊がMVセントラルパークから小型船に乗り移り逃走開始。アメリカ軍に追跡され直ぐに捕まったとしています。

イエメンから弾道ミサイルの攻撃があったのは海賊の拿捕から数時間後です。メイソンが海賊の襲撃が行われた地域で展開していたところ、2発の弾道ミサイルがイエメンから発射されメイソンから18kmほど離れたところに着弾。米軍から反撃するなどの対応は行われなかったとしています。

メイソンはアメリカの空母アイゼンハワーの空母打撃群を構成するイージス艦の一つで現場にいたのはイスラエル・ハマス紛争でこの地域に空母打撃群を派遣・展開していたことに理由があります。

弾道ミサイルについては予想では艦艇の撃沈を狙って発射された可能性はゼロではないものの18km離れていたということで威嚇として飛ばした可能性もあります。18km距離についてはあくまでアメリカ軍側が発表しているものに過ぎず、実際はもっと近くに着弾していた可能性はあります。

参考