
宇宙開発大国アメリカ。多くの民間企業が宇宙に産業している唯一の国ですが、その一つユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)は従来のロケットの後継として開発してきた新型のヴァルカンロケットを打ち上げると発表しました。
アメリカの民間宇宙企業ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)は、同社が開発した新型ロケット「Vulcan(ヴァルカン、バルカン)」の初打ち上げを日本時間2024年1月8日に行う予定です。今回の打ち上げミッションは「Certification-1(Cert-1)」と呼ばれています。アメリカの軍事衛星の打ち上げから民間衛星の人工衛星まで様々なロケットを打ち上げてきたユナイテッド・ローンチ・アライアンス(以下ULA)は同社2014年ごろより開発を続けてきた新型ロケット『ヴァルカン』初号機を8日に打ち上げると発表しました。
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このヴァルカンロケットは見出しでも紹介したように2014年にロシアがウクライナのクリミア半島に不法占拠・占領したことでアメリカとロシアの両国関係が冷え込み、宇宙については事実上国際宇宙ステーション関連以外のありとあらゆる関係が途絶しました。実は当時ULAが運用していたロケット、アトラスVロケットにロシア製のRD-180というエンジンを使用しており、将来的に使用不能になる以外もそもそもロシア製のエンジンを使用することについての問題が発生しました。
紆余曲折がありデルタシリーズ、さらにアトラスシリーズの実質的な後継ロケットとして開発されたのがヴァルカンロケットです。
ヴァルカンロケットは全長61.6m、直径は5.4m。搭載しているエンジンは第一弾にBE-4を2基。これはAmazonのCEOが設立したブルーオリジン製の液体酸素/メタンエンジンを燃焼する新しい世代のエンジンを採用しました。
▼ブルー・オリジン製BE-4エンジン

ヴァルカンロケットは一部再利用する形のロケットとなっています。これは最も高価なエンジン部分を打ち上げ後に切り離しパラシュートで降下・回収するという案で整備し再利用するというものになっています。ただし現時点でこの案は開発中であり8日の打ち上げについては従来のロケットのように使い捨てとなります。

国際宇宙ステーションが周回するような地球低軌道へは27トンの打ち上げ能力があり、静止軌道へは7トンあります。当初2019年の打ち上げを目指していたものの大幅に開発が遅れ2024年の打ち上げとなりました。
従来、初号機にはダミーペイロードを搭載するものの今回は本打ち上げとなります。フェアリング内部にはアストロボティックの月着陸船「ペレグリン」が搭載されており月軌道へ向かう打ち上げとなりmす。