先日石川県で発生した大地震。日本海に突き出した能登半島全体で重要な物資輸送路となる陸路が寸断され支援が遅れるという事態が発生しました。相次ぐ日本の災害。今こそ沿岸上陸可能な『上陸用舟艇』が必要な頃じゃないかという妄想を書き綴ろうと思います。
上陸用舟艇とは聞き慣れない言葉ですが、要は地上戦力を敵地に上陸させるための船舶がこれにあたります。有名なものとしては第二次世界大戦中、ドイツに上陸するノルマンディー上陸作戦でアメリカなどの連合軍がオマハビーチなどに兵士を載せて輸送した船、LCVP ヒギンズ・ボートが上陸用舟艇です。
物流の大半が陸路をとなっている現在、これが災害で寸断されるどうなるか。能登半島の地震でも分かるように回復までに非常に長い時間がかかります。空路にも残念ながら輸送できる量も限られており搭載できる人も多いとは言えず配備・運用コストも高い問題があります。
そこで360度、ほとんどの都道府県に海があり多くの人口が密集する日本は被災地域に大規模かつ緊急、大量の物資・人的支援を行える上陸用舟艇の配備こそが人命救助の軸になる可能性があります。
こちらが現在の上陸用舟艇、アメリカ海軍の汎用揚陸艇 LCUと呼ばれているもので見てのとおりムキムキの兵士を大量に載せて海岸線に上陸させることができる能力があります。搭載可能な量は250~300トンです。(より小型のLCMという艦種もある)
また先端には上下する扉バウランプが付けられており、通常は戦車をはじめ様々な車両を上陸させることができるという特徴があります。
▼大発動艇
かつて日本にも上陸用舟艇は存在していました。その中でも有名なのは大発動艇です。第二次世界大戦中から戦後にかけて使用されていたもので最大70人の兵士を海岸線に上陸させる能力がありました。こちらは小型~中型の漁船のような見た目ですがやはり船首には開閉できる扉が付けられており戦車を上陸させるなど改良型後に開発されました。
大発動艇は1943年にキスカ島撤退作戦で5000人以上の日本兵を55分間で全員を収容するなどその輸送能力や物資補給能力は折り紙付きで各地で活躍した報告されていたといいます。
問題なのは上陸用舟艇は必ず展開する『母船』が必要です。また耐波性がどのくらいあるのかという疑問があり、特に冬の日本海など荒れる海では転覆するなど舟艇に乗った隊員らが命を落とす可能性がゼロではなく天候に左右される問題があります。
さらに災害などで荒れた沿岸地帯でどれだけ有効なのかも疑問があります。上陸用舟艇は船です。海との境までしか行くことができません。能登半島地震でも登場したホバークラフトであれば浜であれば内陸まで行くことができるという利点があります。つまり船ベースの揚陸艇は上陸可能なエリアが狭く有効性にそもそも疑問があります。
定期的に戦争をしているアメリカとは異なり実質日本では災害のみしか活躍する場が見込めないことからもからコストパフォーマンスも悪く、ただでさえ少ない隊員を更に割り当てるなど人的資源も不足する可能性もあることです。
それならば何らかの戦闘が発生した際にも使える水陸両用車のほうが地上走行もできるため有効性が高いとも言えわざわざ上陸用舟艇に限定する理由も無いと言えます。
心配なのは関東エリアでの大規模地震、そして南海トラフを震源とする太平洋一体の巨大地震です。この2つは近い将来必ず発生するといわれており日本に甚大な被害を与えることは確実です。特に太平洋沿岸の大動脈が寸断されることになるため日本全体の物流が壊滅するおそれもあります。
日本は人口密度都市が高い太平洋沿岸に多くあり一度に大量被災することで食料支援が極めて難しくなる恐れがあります。100万人を軽く超える被災者を支えるには陸路・空路では支えきれない量を海を使うことは有効であり3つ目のルートで確実に行える規模を今から確保しておくことは必然と考えられます。それ以外にも太平洋の巨大な港一帯が崩壊することで輸入に頼る日本の食糧事情が急速に悪化、国内全体で食糧難に陥る可能性も考えなければなりません。
日本における災害はここ数年さらに増加傾向にあります。どのようなものであっても軍事的な有事の際にも兵器として使える災害向けの装備を見直し、必ず来る大災害に応用していくことが今から求められます。
物流の大半が陸路をとなっている現在、これが災害で寸断されるどうなるか。能登半島の地震でも分かるように回復までに非常に長い時間がかかります。空路にも残念ながら輸送できる量も限られており搭載できる人も多いとは言えず配備・運用コストも高い問題があります。
そこで360度、ほとんどの都道府県に海があり多くの人口が密集する日本は被災地域に大規模かつ緊急、大量の物資・人的支援を行える上陸用舟艇の配備こそが人命救助の軸になる可能性があります。
こちらが現在の上陸用舟艇、アメリカ海軍の汎用揚陸艇 LCUと呼ばれているもので見てのとおりムキムキの兵士を大量に載せて海岸線に上陸させることができる能力があります。搭載可能な量は250~300トンです。(より小型のLCMという艦種もある)
また先端には上下する扉バウランプが付けられており、通常は戦車をはじめ様々な車両を上陸させることができるという特徴があります。
▼大発動艇
かつて日本にも上陸用舟艇は存在していました。その中でも有名なのは大発動艇です。第二次世界大戦中から戦後にかけて使用されていたもので最大70人の兵士を海岸線に上陸させる能力がありました。こちらは小型~中型の漁船のような見た目ですがやはり船首には開閉できる扉が付けられており戦車を上陸させるなど改良型後に開発されました。
大発動艇は1943年にキスカ島撤退作戦で5000人以上の日本兵を55分間で全員を収容するなどその輸送能力や物資補給能力は折り紙付きで各地で活躍した報告されていたといいます。
問題もある上陸用舟艇
東日本大震災後、日本では災害派遣が行える「大型の病院船みたいなのを配備したらどうか」という意見もあったのですが現在見ても分かるようそのような船は配備されていません。問題なのは上陸用舟艇は必ず展開する『母船』が必要です。また耐波性がどのくらいあるのかという疑問があり、特に冬の日本海など荒れる海では転覆するなど舟艇に乗った隊員らが命を落とす可能性がゼロではなく天候に左右される問題があります。
さらに災害などで荒れた沿岸地帯でどれだけ有効なのかも疑問があります。上陸用舟艇は船です。海との境までしか行くことができません。能登半島地震でも登場したホバークラフトであれば浜であれば内陸まで行くことができるという利点があります。つまり船ベースの揚陸艇は上陸可能なエリアが狭く有効性にそもそも疑問があります。
定期的に戦争をしているアメリカとは異なり実質日本では災害のみしか活躍する場が見込めないことからもからコストパフォーマンスも悪く、ただでさえ少ない隊員を更に割り当てるなど人的資源も不足する可能性もあることです。
それならば何らかの戦闘が発生した際にも使える水陸両用車のほうが地上走行もできるため有効性が高いとも言えわざわざ上陸用舟艇に限定する理由も無いと言えます。
それでも次の災害を見て配備が望ましい
▼2011年4月、東日本大震災で被災した気仙沼市大島で上陸用舟艇LCUが支援する様子。日本にはこのような装備はないため行えない心配なのは関東エリアでの大規模地震、そして南海トラフを震源とする太平洋一体の巨大地震です。この2つは近い将来必ず発生するといわれており日本に甚大な被害を与えることは確実です。特に太平洋沿岸の大動脈が寸断されることになるため日本全体の物流が壊滅するおそれもあります。
日本は人口密度都市が高い太平洋沿岸に多くあり一度に大量被災することで食料支援が極めて難しくなる恐れがあります。100万人を軽く超える被災者を支えるには陸路・空路では支えきれない量を海を使うことは有効であり3つ目のルートで確実に行える規模を今から確保しておくことは必然と考えられます。それ以外にも太平洋の巨大な港一帯が崩壊することで輸入に頼る日本の食糧事情が急速に悪化、国内全体で食糧難に陥る可能性も考えなければなりません。
日本における災害はここ数年さらに増加傾向にあります。どのようなものであっても軍事的な有事の際にも兵器として使える災害向けの装備を見直し、必ず来る大災害に応用していくことが今から求められます。