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昨年アメリカ領土上空を侵犯した中国軍の軍事偵察機級に関して、台湾国防省によると同等のものと思われる気球が今年に入って既に数件、7日には3機相次いで発見したと発表しました。(画像は参考画像)

The Driveによると台湾国防省の発表として、先月飛来して以降台湾海峡上空に戦略性の高い偵察気球が複数飛来しているとし、その一部は台湾本土上空に入り領空侵犯したと発表しています。

Spike In Chinese Balloons Over Taiwan A “Serious Threat” | The Drive
https://www.thedrive.com/the-war-zone/sudden-spike-in-chinese-balloons-over-taiwan-a-serious-threat

具体的にはまず今月7日、日曜日に中国から放たれた可能性が極めて高い気球が台湾海峡上空に飛来しました。数は3機であり当然風に流されて遇せん来たというものではありません。そのうち1機は台湾本土南端を横断し領空侵犯しました。

またうち1機は本土北側を通過し太平洋側へ。そして残りの1機です。なんとこの機体は明らかに台湾を狙ったかのように飛行していたことが確認されており、台湾北部の中国との境界となる中間線を超えたものの明らかに飛行速度が遅かったらしく、留まるように移動していたとしています。

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Graphic by @detresfa_

中国からの偵察気球はその前日にも飛来しており、こちらは台湾本土北部に2機飛来しました。この気球に関して台湾側は「気象偵察に関連しているものだ」などと主張し、気流に沿ってきただけだなどとしています。少なくとも軍事用の偵察気球だとは主張していないのですが、アメリカが撃墜し回収された機体からは少なくともこの認識は誤りであることがわかっています。

明らかに軍事目的の気球

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中国から放たれた気球には証拠隠滅をはかるため自爆装置が搭載されており、通信機器が搭載されていたこともわかっています。その通信はFBIの科学捜査チームによるとアメリカ国内のプロバイダーISPに無線接続しデータを中国とやりとりしていたと説明しています。つまりこの気球は「自国の通信サービスが使用された」としているものです。

ただし搭載した機器はあくまでバックアップ用だと説明しており、メインの通信が使えない場合はターゲットとなる国、つまりアメリカのネット回線を利用して送信できるように対策したものになっていました。

したがって中国がこれまで説明していたようなコントロールできずに偶然アメリカに入ったのではなく、アメリカに侵入する意図を持ってアメリカ国内のプロバイダーに接続する機器を搭載した状態で打ち上げられたということになります。