イエメンの対艦ミサイル_3

イエメンを武力により支配している親イラン武装組織『フーシ派』。地球レベルで極めて重要な航路スエズ運河の出入り口となる紅海に位置してるのですが、実はこのフーシ派はそこらのテロリストとは異なり高度な対艦弾道ミサイルを含む兵器で武装してることが明らかになっています。

イエメンのフーシ派について日本を含めアメリカやヨーロッパなど西側の国の船舶を狙って攻撃ということは今に始まったことではなくかなり昔から行われています。それはアメリカ軍の艦艇に対してミサイル攻撃するのはもはや『日常レベル』と表現してもいほど珍しいものではなく、先日世界ではじめて対艦弾道ミサイル攻撃を実戦レベルで実施した国ともなりました。



そんなもはや国の軍隊レベルになっているフーシ派はいったいどのような兵器で武装しているのか。これに関してThe Driveによると詳細は明らかになっていない部分もあるものの、確認されているだけで対艦ミサイル(弾道ミサイル)だけで6種類、さらに対艦攻撃を行える巡航ミサイルは別に6種類、合計12種類も保有していることが明らかになっています。

The Anti-Ship Missile Arsenal Houthis Are Firing Into The Red Sea
https://www.thedrive.com/the-war-zone/the-anti-ship-missile-arsenal-houthis-are-firing-into-the-red-sea

イエメンの対艦ミサイル

こちらがイエメンが配備している対艦ミサイルです。さらにイエメンではミサイル以外も無人機を大量に保有しているとされ、こちらも艦艇の攻撃使用されています。

なぜフーシ派がこれまで大量の対艦ミサイルを異常なレベルで配備しているのか。それはスエズ運河という極めて重要な航路に理由があることは間違いないと考えられます。確認されているだけで2023年10月以降、2024年1月までイエメンから発射された対艦ミサイルなどは26件確認されています。アメリカ海軍によると合計で62発発射されたものの艦艇には命中せず撃墜されました。

▼2022年に披露された対艦弾道ミサイルAsef 射程は450kmとされる。写真は披露のためミサイルを載せているだけでここから発射するわけではない
イエメンの対艦ミサイル_1

このミサイルは大半が中東で様々なテロを引き起こしているイランが関与していることは間違いありません。そのベースになっているのは旧ソ連製もしくは中国製も含まれています。現時点でイエメンがいったいどれだけの対艦ミサイルを保有しているのかは不明です。その多くはイエメン国内でも生産されいてるとも説明しています。

▼2023年に披露されたTankilと呼ばれる対艦弾道ミサイル 射程は500kmとされる
イエメンの対艦ミサイル_2

先日アメリカ及び欧州がイエメンに対して直接軍事行動を行ったものの重要な航路が即座に無力化されることは考えられず元に戻る時期も全く不明となっています。バイデン政権の態度も謎となっており前トランプ大統領は2021年の1月にテロ組織と指定したもののバイデン大統領はイエメンの人道危機を深刻化させかねないとして同年2月に解除しました。

結果、スエズ運河とその航路が使用できないことで世界的な人道危機を招く可能性もでてきています。バイデン政権としてはここにきてフーシ派のテロ組織指定を検討していると報じられており、まずはアメリカの判断が今後の地域情勢の安定に向けた一歩になると考えられます。