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双方が武器・弾薬不足が深刻化してるとされるロシアによるウクライナ侵攻。そのロシアでは今から60年以上前に設計されたP-35という大型対艦ミサイルを用いてウクライナを攻撃していたことがわかったと報じられています。

合計8つの車輪に背中に円柱状の発射機を付けた車両。これは全長10メートル、重さ4トンという巨大な対艦ミサイル P-35を発射するものです。

ディフェンス・エクスプレスが公開した写真に、具体的にいつ墜落したものかは不明ですがミサイルの巨大なサイズを示しており、残骸の中にP-35の特徴的な翼がはっきりと映っていることが確認されました。つ。その後、情報源に基づいてミサイルは確かにP-35であることを証明されたとのこと。

P-35

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SS-N-3b セパル

NATOコードネーム SS-N-3b セパルことロシア名『P-35』は元はP-5というターボジェット推進を使用した巡航ミサイルです。P-5は1959年に運用が開始されました。P-5は潜水艦発射型の巡航ミサイルとして潜水艦の背中に搭載され、アメリカの沿岸を攻撃するという目的がありました。弾頭には1トンから200~350ktの核弾頭を搭載できたとされ射程は500km、飛行速度はマッハ0.9の亜音速で飛行。ただし、命中精度が悪くターゲットから3km以内に着弾するという精度でした。

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その後、潜水艦以外にも艦艇や車両に搭載されたモデルが開発されモデルの一つがこちらのP-35(P-6)となります。ミサイルを搭載しているのはZIL-135Kを用いた8輪車両で更にミサイルを制御するレーダー、そして指揮車両の合計3車両で運用されてます。これを4K44 Redutと呼んでおり2021年時点でロシアは発射機を8両保有していることが確認されていました。

今回のウクライナ侵攻ではロシアの軍事兵器がどのようなものが保管され運用できる状態なのか、これまで知られなかった装備状況も明らかになっておりアメリカなど欧米側としては注意深く観察しているものと考えられます。

参考