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アメリカで盛んになっている民間宇宙開発。その一つStoke Spaceが開発している『ノヴァ』ロケットは第一段から衛星を投入する上段まで全段地球に返し再利用する開発を進めています。

ワシントン州ケアトルに2020年に設立したのは民間宇宙企業『ストーク・スペース』です。この企業は安価なロケットで人工衛星を宇宙に送るロケットを開発しています。ただ、このロケットが異なるのは通常は廃棄される第一段から第二段をすべて回収する全段回収型ロケットという点です。

ストーク・スペースはいずれもアメリカの民間企業ブルーオリジンやスペースXの元従業員によるチームで現在は85名を抱えています。2023年にはミシガン大学やエネルギー企業から投資が行われ、現在総資金は1億7500万ドル(約260億円)となっています。



ノヴァロケット最大の特徴は上段も地球に返し再利用することができる点です。通常であれば上段は衛星を収めたペイロード部分、その下部に燃料タンク、エンジンという構成で作られているものの、ノヴァロケットは燃料タンクが入っている部分の周囲に小さいエンジンを分散させる形で配置することで中央にヒートシールドを搭載することができました。

これにより地球の大気を使った減速を行いながらエンジンを燃焼し着陸する設計です。

▼周囲に小さいエンジンを搭載している
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また2023年9月に行った第2段のプロトタイプの離着陸試験では通常姿勢変更はエンジンノズルを動かすジンバルという方法で姿勢を修正するものの、このプロトタイプではエンジンの推力を調整する方法で姿勢変更をおこなったとしており着陸試験に成功しています。

現時点でノヴァロケットの試験打ち上げがいつになるのかは発表されていません。またロケットの具体的な性能も明らかになっておらず、予想では地球低軌道に数100kgの物資を投入できる程度の性能と考えられます。

もちろん打ち上げコストについても不明ですが、非常に安価なロケットになっていると考えられます。