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ウクライナ侵攻から3年目を迎えようとしているロシア。稚拙な戦略で進軍と撤退を繰り返すという甘い作戦で始めたことが明らかになったこの戦争について、現在ロシア軍では第二次世界大戦中に使用された兵器が使われていると報じられています。

韓国メディアNEWS ONEによると、一部のロシア軍事専門ブロガーらはテレグラムに「戦場に投入されたロシア軍人たちが旧式武器を受けたという連絡を受けた」とし「その中には1890年代以降に開発されたライフル『モシン・ナガン』、第二次世界大戦中に使われたPTRD対戦車ライフルなどだ」と明らかにしたと報じています。

ロシアでは深刻な兵器不足が伝えられており、それ以前に兵器を開発するパーツすらも入手できているのかは不明ですが、これまで軍事大国としていたロシアが圧倒的に小国であるウクライナ相手に第二次世界大戦時どころか100年前の第一次世界大戦中に使用されたような兵器すらも使わないといけないという状況になっています。

このような兵器は軍事に配給された兵器としてSNSに投稿されており、例えば世界に初めて登場した全自動式機関銃『マキシムPM1910』も複数発見されており、デグチャリョフDP28軽機関銃という1928年に配備が始まった銃もあるとしています。

▼実際に撮影された写真
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当然このような銃はウクライナ侵攻以降にわざわざ新規生産したものとは考えられません。そのためどこかに保管されていた銃を使っている可能性が高く、博物館などにあった銃を使っている可能性もがあるという状況です。

現在ロシア軍はT-80といった新しい戦車ではなくT-72、T-64、T-62と世代が古くなり現在はT-55という第二次世界大戦後の主力戦車を持ち出すなど骨董品レベルの装備を運用していることがわかっています。

▼ロシア軍のT-55
T-55

兵器は兵器、戦車は戦車の性能

確かに古い時代の兵器であるもののこれらは人を殺傷するには十分な性能があります。0と1、無いのと有るのとは大きく違うものの、1と2の差はほとんどなく古い兵器と新しい兵器との差は確実にあるものの0と1との差ではありません。

例えばT-55であれば銃では撃破できないため何らかの対戦車兵器を使用する必要があります。アメリカであればジャベリン対戦車ミサイルであったり東側ではRPG-7と言った兵器です。

兵器というのは時代と共に姿を新しい兵器に置き換えられます。古い兵器の命中性能や耐久性などは時代相応になるものの『人を殺傷する』という能力は維持し続けるため当時の最新鋭兵器として運用されていた事実からも戦力として問題はないということになります。得意に人を相手に殺傷する兵器であれば時代における差はそこまで大きいものではありません。アメリカであっても第二次世界大戦中に既に使用されていたM2ブローニングといった機関銃を今も実戦配備しています。

ちなみにマキシムPM1910などはロシアだけではなくウクライナ側も開戦当初から使用しています。