現在、スウェーデンの成人のおよそ80%は本人が知っているかどうかにかかわらずHSV-1に対する抗体を保有しています。つまり80％の人は過去のいつかの時点でヘルペスウイルスにさらされていることを意味します。

ヴェスティン氏によると「私たちの調査結果と同様に、単純ヘルペスウイルスが認知症の危険因子であることを示す研究結果がどんどん出てきています」と話しています。

認知症は脳内に異常なタンパク質が蓄積し結果的に細胞を破壊し脳を萎縮させた結果、深刻な記憶障害などを引き起こします。何が原因で異常なタンパク質が貯まるのか、酒・タバコが現任なのか、周囲の環境が問題なのか、今回のようにウイルスや細菌感染なのかはよく分かっていません。

ここ最近は何らかのウイルスや細菌に感染した経験があると認知症の発症率が明らかに高いことが複数の研究で明らかになっています。具体的には2024年発表された論文で約50万件の医療記録を対象とした研究によると脳炎や肺炎などの一部の重篤なウイルス感染症を発症した場合、パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患のリスクを高める可能性があることが判明しています。

ヘルペスウイルスについては体内での増殖を抑える抗ヘルペスウイルス薬は存在しているものの体内から一層するような薬は存在していません。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。