ウクライナのオレシチュク司令官は今月23日、ウクライナ東部で黒海の北部に位置するアゾフ海上空(ただしくはその東部地域)でロシアのA-50という早期警戒機を撃墜したと発表しました。撃墜した動画が地上から撮影されており、墜落ではなく撃墜で間違いないと考えられています。
詳細は不明ですが、今回撃墜されたのはロシア軍で8機しか配備されておらず、その中でも運用できる数少ない早期警戒管制機「A-50」です。その任務としては防空システムや誘導ミサイルの探知、戦闘機の標的の調整といった、わかりやすい表現として戦場における『目』のような役割をはたしている兵器の一つです。
ウクライナ空軍のオレシチュク司令官の発表としてアゾフ海上空で撃墜したとしているのですが、これについてはいくつか違和感があるものになっています。
こちらの映像は撃墜した瞬間が映し出されています。冒頭から出ているのは撃墜された機体から放たれたフレアです。これは赤外線を探知して飛来するミサイルをかわす防衛手段をとっているもので予想では同時にチャフという、こちらはレーダーを騙すものも同時に放出していると考えられます。
しかし、映像では1分3秒あたりで閃光が見えミサイルの炸裂により発生した煙と、その弾道が映し出されています。したがってほぼ間違いくなミサイルで撃墜されたことになります。(54秒付近の閃光もミサイルと考えられるが何をターゲットにしていたのかは不明)
そしてこちらが『地上』に墜落したA-50とする映像です。この2つの映像の信憑性は不明ですが既に発表がされていることから何らかの撃墜があったと考えられます。
そしてこちらはウクライナ国防省情報総局が発表したA-50の航路です。レーダーから消失した時間は午後6時45分53秒頃です。
上の動画やこちらの画像を見てもわかるように撃墜したのはアゾフ海上空ではなく、もともとロシア領内の上空です。
こちらの画像とグーグルマップの画像を目安で重ねると撃墜したのは前線から約200kmも離れた位置にある点です。
問題は何がA-50を撃墜したのかです。ウクライナにはパトリオットが配備されているのですがあくまでカタログスペックは射程160km程度で200kmは飛翔できません。
もちろん高価なパトリオットを最前線に配備するようなことはしていないと考えられ、仮に配備したとしても撃墜地点から最低で250km以上は離れていてもおかしくありません。
A-50を見ると接近するミサイルをかなり前から識別しフレア+チャフを放出していることです。この撃墜に使用されたと考えられるのはS-200といった射程300kmあるとされる長距離対空兵器です。ウクライナ軍は過去保有していたものの既に戦争開始から2年が経った現在も配備し運用しているのかはかは不明です。
S-200は元のものは1960年代に開発・配備された明らかに旧式ミサイルですが、ウクライナが独自に改良を施している事も考えられます。もともと大型で鈍足な爆撃機を長距離撃墜する目的に開発されたのがS-200ですが、A-50という爆撃機サイズの元輸送機であればたやすく探知することはでき撃墜することは一応できると思われます。
ただし、現代兵器でフレアやチャフのおとりを見抜き、あろうことか早期警戒機を撃墜できるのか?という点は疑問が残ります。S-200はウクライナ軍は2013年10月に退役したと発表しており運用するにしても自走できないため設置には大掛かりな事前作業が必要です。
いずれにしても今回は供給されていない非西側兵器が使用された可能性が強く伺える出来事となりました。
ウクライナ空軍のオレシチュク司令官の発表としてアゾフ海上空で撃墜したとしているのですが、これについてはいくつか違和感があるものになっています。
ウクライナ軍、再びロシアのAWACS
— かみぱっぱ (@kamipapa2) February 23, 2024
A-50を撃墜 pic.twitter.com/o8IsP9tTNF
こちらの映像は撃墜した瞬間が映し出されています。冒頭から出ているのは撃墜された機体から放たれたフレアです。これは赤外線を探知して飛来するミサイルをかわす防衛手段をとっているもので予想では同時にチャフという、こちらはレーダーを騙すものも同時に放出していると考えられます。
しかし、映像では1分3秒あたりで閃光が見えミサイルの炸裂により発生した煙と、その弾道が映し出されています。したがってほぼ間違いくなミサイルで撃墜されたことになります。(54秒付近の閃光もミサイルと考えられるが何をターゲットにしていたのかは不明)
⚡️ Something big shot down, it might be another Russian A-50 as some sources reported pic.twitter.com/muLL9RWvHb
— Ukrainska Pravda in English (@pravda_eng) February 23, 2024
そしてこちらが『地上』に墜落したA-50とする映像です。この2つの映像の信憑性は不明ですが既に発表がされていることから何らかの撃墜があったと考えられます。
そしてこちらはウクライナ国防省情報総局が発表したA-50の航路です。レーダーから消失した時間は午後6時45分53秒頃です。
上の動画やこちらの画像を見てもわかるように撃墜したのはアゾフ海上空ではなく、もともとロシア領内の上空です。
こちらの画像とグーグルマップの画像を目安で重ねると撃墜したのは前線から約200kmも離れた位置にある点です。
問題は何がA-50を撃墜したのかです。ウクライナにはパトリオットが配備されているのですがあくまでカタログスペックは射程160km程度で200kmは飛翔できません。
もちろん高価なパトリオットを最前線に配備するようなことはしていないと考えられ、仮に配備したとしても撃墜地点から最低で250km以上は離れていてもおかしくありません。
S-200撃墜説
A-50を見ると接近するミサイルをかなり前から識別しフレア+チャフを放出していることです。この撃墜に使用されたと考えられるのはS-200といった射程300kmあるとされる長距離対空兵器です。ウクライナ軍は過去保有していたものの既に戦争開始から2年が経った現在も配備し運用しているのかはかは不明です。
S-200は元のものは1960年代に開発・配備された明らかに旧式ミサイルですが、ウクライナが独自に改良を施している事も考えられます。もともと大型で鈍足な爆撃機を長距離撃墜する目的に開発されたのがS-200ですが、A-50という爆撃機サイズの元輸送機であればたやすく探知することはでき撃墜することは一応できると思われます。
ただし、現代兵器でフレアやチャフのおとりを見抜き、あろうことか早期警戒機を撃墜できるのか?という点は疑問が残ります。S-200はウクライナ軍は2013年10月に退役したと発表しており運用するにしても自走できないため設置には大掛かりな事前作業が必要です。
いずれにしても今回は供給されていない非西側兵器が使用された可能性が強く伺える出来事となりました。