夢舟_1

中国有人宇宙機関(CMSA)は現在開発中の7人乗り有人宇宙船について一般公募の結果『夢舟』(むしゅう)と命名したと発表しました。合わせて月面着陸船は攬月(らんげつ)とし今後の月面有人着陸をはじめとした有人宇宙開発全般に運用します。



中国は現在有人月面着陸を2030年を目処に実施することを計画しています。その計画には新しい有人宇宙船、月着陸船、打ち上げるロケットの3つが必要となります。

その宇宙船については具体的にいつ開発が始まったのかは不明ですが、2016年に長征7号のデビュー飛行時に搭載された多目的宇宙船スケールリターンカプセルとして小さい夢舟を地球に帰還させています。

夢舟は6~7人乗りの宇宙船で無人であれば最大4トンを搭載し2.5トンを地球に返すことができます。月面モデルでは3人を搭載し500kgの貨物を搭載することができるとしています。内部容積は13立法メートルです。



攬月
そしてこちらが月着陸です。上部が着陸船で下部は着陸前に切り離されます。

実際の有人月面着陸ミッションでは宇宙船と着陸船をそれぞれ別に打ち上げます。まず上の画像の着陸船を月軌道に投入。システムが安全なことを確か有人宇宙船を打ち上げ月軌道上でドッキング。3名のうち2名が着陸船に移り月に降下し着陸します。
月面活動を終了し着陸船のエンジンを点火し月面を上昇。月軌道上の宇宙船とドッキング、宇宙船のみ月軌道を離れ地球に帰還します。

これら宇宙船などは並行して開発している長征10号にて打ち上げを実施します。中国の宇宙開発は西側のように5年10年遅れるのは当たり前のような曖昧な計画にはなっておらず、スケジュール通りきっちりと期限までに行うことが多く、大きなトラブルがなければ2030年頃に有人着陸を行うと考えられます。

一方でそのアメリカなども有人月面着陸を計画を進めています。ただし元々は計画していなかったのも事実で、中国の有人月面着陸に対抗するために行われるという側面もありました。しかし現在は月の氷資源など再び月面探査を行う利点も多く、NASAなどは月面開発を経て有人火星探査の実施を計画しています。