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マレーシア航空MH370便。マレーシアのクアラルンプールから飛び立ち機体は二度と地上に着陸することはなかった旅客機が消息を経って8日で10年となりました。未だに誰一人として遺体も機体の主要パーツも発見されていません。今回は現在分かっている事件状況について紹介していきます。

世界最大の航空ミステリーとなったマレーシア航空の旅客機 MH370。乗客239人を載せたボーイング777-200ERはクアラルンプールから北京に飛行していたものの、南シナ海のマレーシアとベトナムの間の丁度中間海域で意図的に連絡を絶ち、進行方向とは異なるインド洋北東部のアンダマン海上でレーダーによって発見。そして消息を絶ちました。

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その後、最終的に確認されたのは英国企業のインマルサット通信衛星との間の自動衛星通信により、同機がインド洋南東部に到達したことが示されています。当然この間機体は正常に飛び続けたものの一切連絡をせず異常な飛行をし続けました。少なくともパイロットにより。

失踪から10日後の2014年3月18日、インド洋南部での捜索活動がオーストラリア主導で行われ、数カ国の航空機が参加。この捜索は4月28日まで続き450万平方kmを捜査したものの破片は全く見つかりませんでした。合わせて水中捜索もされたものの発見には至りませんでした。

その後、2015年7月30日にインド洋西部のレユニオン島に大きな破片が漂着し後にMH370の機体の一部であることが初めて確認されます。その数カ月後にモーリシャス、タンザニア、ロドリゲス、マダガスカル、モザンビーク、南アフリカのインド洋西部で相次いで機体パーツが発見されました。

▼白丸は発見されたところではなく漂着が予想された地域。画像は発見された機体パーツ
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状況はどこまで分かっているのか

MH370の墜落事故については2018年に最新の報告書が提出されています。内容を簡単に紹介すると、マレーシアの捜索チーム事故機に関しては故障し墜落したわけではなく、ほぼ間違いなく人間の手により操縦され事故が発生したとしています。

これはオートパイロットの異常などで発生したのでは無いとも指摘してます。しかし、なぜそのようなことを行ったのか誰がそれを行ったのかなど現時点でも明らかになっていないとのことです。その上で第三者により操縦が介入されたという可能性について、例えば機体が遠隔操作された可能性に関しては考えられないと否定しています。

そして航空衛星通信に送信されたログから少なくとも旅客機は7時間以上飛行しており、この間一切救難信号を出さず外部とのやりとも一切行っていません。

自機の位置等を空港に送信するACARS(エーカーズ)、トランスポンダは2つが時間をあけて切られていたことが明らかになっています。このACARSといった通信装置はコックピットからは切断することはできないとされており、機体内部に何者かが侵入し手動で切断する必要があるとされています。

これら状況から機体トラブルではなく人為的に墜落させられた可能性が高いと判断されています。

ちなみに過去にパイロットが意図的に操縦して墜落させる事故、つまり乗客を巻き込んで機長らが自殺する『拡大自殺』行為はこれまでも複数確認されています。