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パレスチナ北部沿岸のガザ地区で輸送機による食糧の空中投下で地上にいたガザ市民がらに被害が出たとされる事故について、この物資を空中投下したのはそもそもアメリカ軍ではなくUAE アラブ首長国連邦が行った高速落下するパラシュートを用いたことが原因である可能性が高いと報じられています。そして空中分解した物資が高速で落下してくる様子も確認できます。

ガザ地区に空中投下する食料支援作戦について、実はアメリカ軍がけが行っているという報道がされていますが、実はそうではなくアラブ首長国連邦も実施しています。

具体的にいつどのように行っているのかは不明ですが、ハマス側が主張している8日の支援投下で5人が死亡した事故について、その当時もアメリカ軍はC-17輸送機による空中投下を実施しておらず、行っていたのはアラブ首長国連邦軍の輸送機でした。

この事故が発生したとされる動画が地上から撮影されており、輸送機はC-17という大型の機体でした。アメリカ軍はガザへの空中投下はC-130のみ使用しておりC-17は投入していません。しかしアメリカ軍は状況を判断できず当時この報道を否定しなかったことからアメリカ軍が起こしたと各メディアが伝える事態となっています。(現在は否定している)

こちらが事故が発生したとされる空中投下映像です。1機のC-17が街上空に飛来し物資を大量に投下するもののものすごい勢いで落下してくる様子が確認できます。予想ではこのパラシュートに繋がっている物資により死亡したのではなく、空中でバラバラになった物資が小爆弾のように地上に降り注いでおり、こちらにぶつかって死亡した可能性が高いと考えられます。落下しているのは予想では小麦粉が入った袋やパレットなどと思われます。

▼バラバラになった物資が地上に落下してくる様子
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アメリカ軍は3月2日にガザの海岸線に対して低速パラシュートを用いて空中投下しました。この映像は3月8日に撮影されたもので都市上空で高速パラシュートが使用されています。

なぜアラブ首長国連邦は地上に人がいることが分かっているにも関わらず高速パラシュートを用いたのか。当時の飛行状況としてはC-17は現地時間午前10時30分頃にガザを上空に飛来。機体はリマル地区上空を通過する際、高度3,000フィート程度、200ノット未満に減速した状態でした。この速度と高度はパラシュート降下作戦中を除いてC-17としてはほぼ前代未聞だとしているのですが、具体的に何が珍しいのかは不明です。

Task & Purpose によると、アラブ首長国連邦が用いるLCHVという高速パラシュートは下に人間がいないと予想される場合に高リスクの降下を目的とした戦闘用パラシュートだとしています。高速パラシュートを用いる理由については「空中投下の軌道に対する風の影響を最小限に抑え、精度を維持しながらより高い放出高度を可能にし航空機の生存性を高める」としています。
要するに輸送機はより速く飛行できるため危険な空域を速く脱出でき、投下した物資は高速で落下するため投下ポイント付近にも落としやすいというメリットがあると思われます。

双方の落下速度差についてはLCLVという低速パラシュートは秒速28フィート未満で落下するものの、LCHVという高速パラシュートでは秒速60~90フィートで落下するといい、速度差は2倍から3倍に達するとしています。

なぜアラブ首長国連邦が地上に人がいると考えられる上空で高速パラシュートを使用したのかは明らかになっていません。もちろんこの地域はハマスが活動している可能性もあり、地対空ミサイルからの脅威を安全を考えれば高速パラシュートの選択も一理あるのですが、それならばアメリカ軍みたいにより安全な海岸線に付近に落下させることも選択肢になると思われます。
記事では当時、近い時間帯に他国が同じく空中投下を行っていたという記載もあり何らかの都合で想定外の都市上空での空中投下することになった可能性も考えられます。