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Amazon.comの設立者であるジェフ・ベゾスが設立したブルー・オリジンは2025年第3四半期までに無人で着陸機を月面に送ると発表しました。この規模の機体が月面に送りこまれるのはアポロ計画以来となります。

現在アメリカにおける有人月面プロジェクトは2つあります。もともとスペースXのみが有人月面着陸機の契約を勝ち取ったものの、なかばゴリ押しする形でその後契約を勝ち取ったのがこのブルー・オリジンです。

Blue Origin надеется запустить прототип лунного взлетно-посадочного корабля в 2025 году
https://kosmolenta.com/index.php/2178-2024-03-11-bluee-moon-mk1

双方の企業はいずれも民間企業です。この民間企業にNASAの資金を渡す形でNASAの宇宙飛行士を月面着陸させる計画が進んでいます。

2024年3月3日にアメリカメディアとのインタビューでブルー・オリジン社の月面プログラム担当上級副社長ジョン・クーロウリス氏は冒頭紹介したようにアルテミス月計画の一環として、有人月面着陸船ブルー・ムーン Mark1 無人技術実証機を2025年の秋ごろに打ち上げると発表しました。

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型式はMk1-SN001としており飛行試験の主な目的はBE-7 エンジン、アビオニクス、極低温燃料部品の貯蔵システム、通信、そして月への精密着陸システムをテストすることです。この機体は2022年10月に初公開しました。

予定としてはMk1-SN001は最低でも2回の飛行を行います。そしてMark2型はそのあとに打ち上げられ最初の打ち上げでは自律モードによる飛行としておりこちらも無人となります。Mark1型についてはデモンストレーターとなるためサイズは有人モデルとは異なります。

着陸船の打ち上げは新型ロケット『ニュー・グレン』



打ち上げまでいくつか問題があるのですが、最大なものはブルー・ムーンを打ち上げるニュー・グレンの開発状況です。現在このロケットは一度も打ち上げられていません。予定としては初飛行に向けた最終段階となっており、024年9月以降に打ち上げ予定でペイロードには小型火星衛星が搭載される予定です。

したがって現在は発表されているスケジュールはあくまでニュー・グレンが正常に打ち上げを行い、開発が順調に進んだ場合にのみ実施可能なものになっており、初号機の打ち上げが失敗した場合はどうなるのかというスケジュールは未発表です。

ニュー・グレンについては3段構成で全長95mとなるスターシップレベルの超大型ロケットとなっており、打ち上げ能力は45トンあります。高コストの1段目のみ再使用を行う先進ロケットでありまずは2024年複数回行われるとされる打ち上げが注目されます。