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鉄道ではほとんど耳にしないものの旅客機で度々報じられるのは機、長と副機長の双方が寝て自動操縦で飛行し続ける問題です。これに関して今年1月に2人が寝た状態で飛行するトラブルまた発生したと報じられています。

トラブルがあったのはインドネシアのジャカルタのスカルノハッタ国際空港からハルオレオ空港の1時間40分程度飛行するエアバス320の旅客機です。

REPORT Both pilots of an A320 fell asleep in the cockpit for 28 minutes
https://airlive.net/reports/2024/03/09/report-both-pilots-of-an-a320-fall-asleep-in-the-cockpit-for-28-minutes/

記事によると当時飛行高度は36000フィートを巡航飛行中だったといい両パイロットはヘッドセットを外しコックピットのスピーカーの音量を上げました。その後、機長は副機長に休息の許可を求め許可。数秒後、機長は口を閉じ眠りに入りました。そして副機長が機長の任務を引き継ぎます。

そしてしばらくして目をさまし機長が副機長に「君は休みたくないか?」と聞いたところ「不要です」と回答。その後、雑談を30秒ほどしたと機長は再び眠ったといいます。

機長「変なところを飛行している件、副機長も寝ていた件」

休憩は不要などと口にした副機長はその後どうなったのか。もちろん寝ました。機長が再び寝てから20分後に副機長が管制塔側に通信したものの数分後に寝てしまったとのこと。当然このとき機長も寝ており乗客を載せたまま両パイロットが寝た状態で飛行するという事態となりました。
ちなみに管制塔からは副機長が最後に通信した12分後に再び管制塔から連絡があったものの機体からは一切返答がなかったといいます。理由はもちろん寝ていたためです。

両パイロットが寝続け最後に管制塔とやり取りをしてから約28分後、機長が目をさまします。そこで目に入った計器などから予定されたのは進路を飛行していないことがすぐに分かったといいます。状況を判断できず副機長を見たところスヤスヤと寝ていたといいます。

当時の様子について、機長はすぐに副機長を起こし管制塔と通信に返答。その後、進路を戻し無事にジャカルタに着陸できたとのことです。

多発する両パイロットの睡眠トラブル

実はこの両パイロットが飛行中に寝た状態で飛行するというトラブルはかなりの頻度で発生してるとされています。

2023年にベインズ・シモンズ社が行ったヨーロッパの航空会社のパイロット、6893人を対象に調査を行ったところ過去4週間の飛行中に1回でも軽い昼寝をしてしまったと回答したのは76%、4人中3人と報告されています。

問題は両方のパイロットが寝るということなのですが、英国航空操縦士協会は2013年にイギリスのパイロット500人を対象に調査を行ったところ、実に56%が操縦中に居眠りをした経験があると解答しています。そして29%が「目が覚めたら副操縦士も眠っていた」と答えていたことが分かったとしています。つまり操縦桿を操作する二人のパイロットが飛行中に寝ているということは報告されていないだけで今も相当な件数発生していることになります。