私達の寿命は特に日々の食生活でも左右することにもなるのですが、あくまでマウスを用いた実験として特定の必須アミノ酸、イソロイシンの量を餌から減らしたところ寿命が伸びるという結果が得られたと報告されています。
体に良いとされる食べ物、悪いとされる食べ物…それを承知しながら何かを今日なにかを口にしているのですが、ではこの食生活で寿命がどのくらい左右されるのか興味深い研究が報告されています。
Cutting Back on One Amino Acid Increases Lifespan of Mice Up to 33% : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/cutting-back-on-one-amino-acid-increases-lifespan-of-mice-up-to-33
Dietary restriction of isoleucine increases healthspan and lifespan of genetically heterogeneous mice: Cell Metabolism
https://www.cell.com/cell-metabolism/abstract/S1550-4131(23)00374-1
米国ウィスコンシン大学の代謝研究者ダドリー・ラミング氏らが行ったものとして、遺伝的に多様なマウスグループの対し20種類の一般的なアミノ酸を含む食餌を与えたグループ、すべてのアミノ酸が約3分の2減少した食餌を与えたグループ、その中でもアミノ酸であるイソロイシンのみ減少した食餌のいずれかを与えました。
結果、イソロイシンを減らした食餌を食べたマウスは、そうでないマウスと比較してオスのマウスは寿命が最大で33%伸びメスは7%伸びたとしています。
イソロイシンはバリン、ロイシンと共に必須アミノ酸BCAAとよばれるらしく、ヒトが体内で作ることが出来ない必須アミノ酸であり口から取り入れる必要があります。具体的に何をしているのかについては筋肉でエネルギー源となっり疲労回復の効果があるとされています。イソロシンは煮干し、豚肉、大豆製品、鶏肉、しらす、チーズに含まれており和食にも使われる食材となります。
研究者は結果から「もちろん人間もイソロイシンを制限すると同様の老化防止効果が得られる可能性があるものの研究されておらずわからない」としています。特に食事に関する研究は難しいと説明しており、今回の研究についても食べ物は信じられないほど複雑な化学反応が生じており、この結果を生み出すには他の栄養成分が関与したりマウスの系統や性別でも変化している可能性もあると指摘しています。
今回の研究は他の研究機関では再現されていないものであり、私達人間が安易にイソロイシン制限をするという行為は勧められるものではないと思われます。(2024年3月29日 記事内容の表現等修整・追加)
*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。
Cutting Back on One Amino Acid Increases Lifespan of Mice Up to 33% : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/cutting-back-on-one-amino-acid-increases-lifespan-of-mice-up-to-33
Dietary restriction of isoleucine increases healthspan and lifespan of genetically heterogeneous mice: Cell Metabolism
https://www.cell.com/cell-metabolism/abstract/S1550-4131(23)00374-1
米国ウィスコンシン大学の代謝研究者ダドリー・ラミング氏らが行ったものとして、遺伝的に多様なマウスグループの対し20種類の一般的なアミノ酸を含む食餌を与えたグループ、すべてのアミノ酸が約3分の2減少した食餌を与えたグループ、その中でもアミノ酸であるイソロイシンのみ減少した食餌のいずれかを与えました。
結果、イソロイシンを減らした食餌を食べたマウスは、そうでないマウスと比較してオスのマウスは寿命が最大で33%伸びメスは7%伸びたとしています。
イソロイシンはバリン、ロイシンと共に必須アミノ酸BCAAとよばれるらしく、ヒトが体内で作ることが出来ない必須アミノ酸であり口から取り入れる必要があります。具体的に何をしているのかについては筋肉でエネルギー源となっり疲労回復の効果があるとされています。イソロシンは煮干し、豚肉、大豆製品、鶏肉、しらす、チーズに含まれており和食にも使われる食材となります。
イソロシン制限で何が発生した?
大豆などイソロシンにつてはむしろ積極的に摂取したほうが良さそうなのですが、研究ではそうとはなりませんでした。それぞれのマウスの年齢は約6か月で統一され人間と比較すると30歳の人に相当する年齢になります。マウスは好きなだけ食べるようにして、それぞれのグループごとに今回用意した食べ物のみを与えました。
結果、食事のイソロイシンのみ少ないマウスでは寿命と健康寿命が延び、虚弱性が軽減され、痩せと血糖コントロールが促進される結果が得られました。このグループのマウスは筋力、持久力、血糖値、尻尾の使い方、脱毛などの健康に関する26項目のスコアも高かったこともわかりました。私達人間の食べ物として通常イソロシンは「筋力を上げる」などとそのような補助食品に豊富に入れられることがあるものの、今回の試験と比較すると逆にとも考えられる謎の結果が得られました。
また興味深いものとしてイソロイシン制限の餌を与えたマウスは他のマウスよりも多くのカロリーを摂取していました。しかし、マウスの運動など活動レベルに違いはなかったにもかかわらず体重が増えるのではなく実際にはより多くのエネルギーを消費し、より引き締まった体重を維持していたといいます。つまりたくさん食べカロリーを摂取したにもかかわらず太らなかったということです。
合わせてオスのマウスは加齢に伴う前立腺肥大が少なく、さまざまなマウス系統に共通する癌性腫瘍を発症する可能性が低かったとのこと。
また興味深いものとしてイソロイシン制限の餌を与えたマウスは他のマウスよりも多くのカロリーを摂取していました。しかし、マウスの運動など活動レベルに違いはなかったにもかかわらず体重が増えるのではなく実際にはより多くのエネルギーを消費し、より引き締まった体重を維持していたといいます。つまりたくさん食べカロリーを摂取したにもかかわらず太らなかったということです。
合わせてオスのマウスは加齢に伴う前立腺肥大が少なく、さまざまなマウス系統に共通する癌性腫瘍を発症する可能性が低かったとのこと。
人間で同じことが起ることは限らない
最近◯◯制限ダイエットなどと特定のものを制限する食べ物がありますが、今回の研究で言えることは研究されたのはマウスであり人間で同じことが発生するとは限りません。むしろ健康に悪影響が出ることも考えられます。研究者は結果から「もちろん人間もイソロイシンを制限すると同様の老化防止効果が得られる可能性があるものの研究されておらずわからない」としています。特に食事に関する研究は難しいと説明しており、今回の研究についても食べ物は信じられないほど複雑な化学反応が生じており、この結果を生み出すには他の栄養成分が関与したりマウスの系統や性別でも変化している可能性もあると指摘しています。
今回の研究は他の研究機関では再現されていないものであり、私達人間が安易にイソロイシン制限をするという行為は勧められるものではないと思われます。(2024年3月29日 記事内容の表現等修整・追加)
*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。