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ドローン戦争。ロシアがウクライナに侵攻したことで始まったこの戦争では始めて小型ドローンが大量に使用されるという本格的な新しい時代の戦闘となりました。双方がこのドローン対策を行なっているのですが、先日ロシアの軍港で、ドローンを防ぐ網を搭載したと考えられる原子力潜水艦が撮影されました。

撮影されたのはロシアの北方艦隊に所属する原子力弾道ミサイル潜水艦デルタIVです。この映像はロシア国営のロシア24が撮影した同潜水艦で明らかになったものになります。

しかし、この潜水艦が配備されているのはウクライナ近くではなく遠く離れた最北地域、北極海にあるロシアのムルマンスク州です。当然爆撃機でもなければウクライナから飛行できるような距離ではないのですが、デルタIV潜水艦にはドローン対策と考えられるコープケージが搭載されていたといいます。

Russian Submarines Now Appear To Be Getting Anti-Drone "Cope Cages"
https://www.twz.com/sea/russian-submarines-now-appear-to-be-getting-anti-drone-cope-cages


この位置には潜水艦の艦橋から人が出るような構造があり内部とつながっています。ただ、これが何らかの日除けのような構造である可能性もあるのですが、そもそも時期的に冬であり日除けをわざわざ出すような時期でもありません。一方で隣に停まっていたアクラII級原子力潜水艦にはそのような構造が確認されませんでした。

本当にドローン対策なのかは不明です。原子力潜水艦は非常に脆弱であり一般的な水上艦艇のような対空防御兵器というのも事実上ありません。つまり港周囲の防空システムにすべて頼ることになるのですが、国内に潜入したウクライナ兵などによる小型ドローンを用いた攻撃に晒される可能性があると考えられます。

現にウクライナ兵の中にはドローンを巧みに操縦し人間が通れるサイズがあれば内部に侵入し爆弾を投下することはできます。つまり潜水艦のハッチ内部に数メートル程度であれば侵入することは技術的には難しくはありません。

いずれにしても、今まで全く確認されていなかったコープケージのような装備をロシア軍の潜水艦が付けたことはウクライナ侵攻で脅威にされされているドローン対策であることはほぼ間違いありません。ドローンの危険性や懸念は空想ではなく現実の物となっており、潜水艦にも設置しなければならないというこの対策は、ある意味でドローン恐怖用のような強い心理的恐怖が共有化されいてるということになりそうです。