地球上には主に都市と都市を繋がつ輸送・旅客手段として鉄道が敷かれています。この鉄道は大量の物資輸送能力も持ち合わせており、例えば鉱山やダムといった山岳エリアにも敷設されることがあります。

そんな鉄道ですが、アメリカさらに軍事分野の研究・開発を担っているDARPAがどのようなわけか月面に鉄道を建設するという野心を見せているということになります。

Northrop Grumman to Develop Concept for Lunar Railroad | Northrop Grumman
https://news.northropgrumman.com/news/releases/northrop-grumman-to-develop-concept-for-lunar-railroad
DARPA and Northrop Grumman's railway on the Moon
https://newatlas.com/space/northrop-grumman-moon-railway/

LunA-10と呼ばれるこの10年間の月面アーキテクチャは具体的にどのようなものになっているのかという点について、月鉄道ネットワークの構築に必要なインターフェースとリソースを整理し、コスト、技術的および物流上のリスクの重要なリストを作成しプロトタイプを開発するとのこと。つまり、コンセプトデザインから実際に鉄道を建設する方法を検討するということを担っているということになります。あわせて線路の整地、基礎の構築、線路の敷設、検査、メンテナンス、修理などの継続的な問題にどのように対処するかについても検討することになります。

ノースロップ・グラマンの副社長兼戦略宇宙システム担当ゼネラルマネージャーのクリス・アダムス氏は今回の契約について「重要な開発研究への投資により当社の技術は次世代ソリューションの最前線に留まります」 「複雑なシステムと商業化された自律サービスの統合は当社の実証済みの経験により持続可能な宇宙エコシステムに関し永続的な変化を生み出し続けます」とよくわからないアメリカ的な表現を用いて述べています。

月鉄道どうなる？

問題はこの月鉄道はアメリカがいったいどの時点で必要なインフラとして考えているのかです。鉄道である以上は物資の積み下ろしが発生、それを定期的に行い、さらに長距離を重量物の車両が走るということになります。

もちろん月面は地球のように平地は少なくクレーターであれば埋め立てる形で整地する必要もでてきます。さらにその鉄道資源は地球から輸送するのか、月面で製造するのかもよく分かっておらず、何を鉄道を使って輸送するのかも明らかになっていません。

少なくと路線敷設も月面列車が使われることになるのですが、すべて無人で行うというのは限界があると考えられ人が基地に恒久的に滞在するような時期にトロッコ列車規模のものが試験運用される可能性はあると考えられます。

このような月面鉄道の利点について考えられるのは1つに月面の地理のような細かい砂、レゴリスです。車両は地面にタイヤが接触するたびに非常に微細なレゴリスが巻い上がりハードウェアに入り込む心配があります。このレゴリスは回転軸などに入り込むと非常に高い摩耗が生じ機器のトラブルに繋がります。

そのため鉄道であればレールの上をキレイにしておくだけでレゴリスとの接触は大幅に低減できることになり非常に高寿命な輸送手段が確立できる可能性はあります。