先日、小林製薬が販売していた紅こうじは現在、既知の成分による人体に有害な成分は『見つかっていない』としてるのですが、未知の有害物質により発生した可能性が疑われています。
小林製薬は自社で製造する紅こうじを原料に販売していた紅麹コレステヘルプ、ナイシヘルプ+コレステロール、ナットウキナーゼを長期間摂取した結果、人間の腎臓機能を害し死に至るまで症状が悪化したケースが特定のロット製品で数件報告されています。
小林製薬から発表された2024年3月25日の内容として、『直近1年分に製造した製品の検査を行なった結果、当社の想定していない成分の特定や本製品と腎疾患等との関連性の有無の確定には至っておりません』と発表しています。一方で、自社製品により健康被害が生じていることは認めており一部の紅麹原料に当社の想定していない成分を含む可能性があるとして製品の回収を進めています。
つまり小林製薬は真っ先にシトリニンが含まれた可能性を疑うのですが、少なくとも過去1年間に製造されたものを検査してもシトリニンを含む想定できる人体に有害な物質は見つからなかったと主張しています。
この紅こうじについてもいくつか種が存在しており、小林製薬が行なった『【研究1】全ゲノム解析によるM. pilosusのカビ毒シトリニン生成不能の証明』では、『日本、台湾、中国において食品用途に主に使用されている紅麹菌3種(M. pilosus(日本)、 M. purpureus(中国)、M. ruber(台湾))について、次世代シークエンサーを使った全ゲノム解析を行い、シトリニンの産生能について検証したところM pilosus NBRC 4520には腎毒性の健康被害をもたらすカビ毒シトリニンが生成不能であることが明らかになりました』と説明しています。
Photo:小林製薬
結論として、紅麹菌M. pilosus NBRC 4520は、ゲノムレベルでカビ毒シトリニンを作らない報告のある紅麹菌として、高い安全性を持つ、有用な食品利用菌種であると考えられますとまとめています。
小林製薬の紅こうじはM. pilosus NBRC 452を使用している…ということになると考えられます。もちろん今回はシトリニンは見つからなかったという趣旨を説明しており、他の菌が混じった可能性もゼロということになります。
小林製薬の発表では当該製品には想定される物質、つまりシトリニンは含まれておらず他の有害な成分も全く見つからなかったという趣旨の発表しています。ただし記載を見る限りでは第三者機関が分析したという表現はないと考えられます。
同社の発表でも『紅麹原料に当社の想定していない成分を含む可能性が判明しております』と繰り返しており、紅こうじの未確認の有害成分により結果的に人体の健康を侵した可能性が考えられますとしています。
結論としては紅こうじそのものの安全性については小林製薬によるとあくまで現在問題が生じているのは一定期間製造されていた特定のロットの製品で発生したとしています。つまり問題が生じていないロット以外では健康被害はでていないということになるのですが状況は変わる恐れがあり注意する必要はあります。
小林製薬から発表された2024年3月25日の内容として、『直近1年分に製造した製品の検査を行なった結果、当社の想定していない成分の特定や本製品と腎疾患等との関連性の有無の確定には至っておりません』と発表しています。一方で、自社製品により健康被害が生じていることは認めており一部の紅麹原料に当社の想定していない成分を含む可能性があるとして製品の回収を進めています。
想定していない成分とは何か
「想定していない」としているものの具体的に何を想定していなかったのか。想定されている有害な成分については予想では紅こうじ由来の有毒物質「シトリニン」と考えられます。ベニコウジカビにはカビ毒シトリニンを生成する種が存在しカビ毒により人体への腎毒性の健康被害を引き起こします。つまり小林製薬は真っ先にシトリニンが含まれた可能性を疑うのですが、少なくとも過去1年間に製造されたものを検査してもシトリニンを含む想定できる人体に有害な物質は見つからなかったと主張しています。
この紅こうじについてもいくつか種が存在しており、小林製薬が行なった『【研究1】全ゲノム解析によるM. pilosusのカビ毒シトリニン生成不能の証明』では、『日本、台湾、中国において食品用途に主に使用されている紅麹菌3種(M. pilosus(日本)、 M. purpureus(中国)、M. ruber(台湾))について、次世代シークエンサーを使った全ゲノム解析を行い、シトリニンの産生能について検証したところM pilosus NBRC 4520には腎毒性の健康被害をもたらすカビ毒シトリニンが生成不能であることが明らかになりました』と説明しています。
Photo:小林製薬
結論として、紅麹菌M. pilosus NBRC 4520は、ゲノムレベルでカビ毒シトリニンを作らない報告のある紅麹菌として、高い安全性を持つ、有用な食品利用菌種であると考えられますとまとめています。
小林製薬の紅こうじはM. pilosus NBRC 452を使用している…ということになると考えられます。もちろん今回はシトリニンは見つからなかったという趣旨を説明しており、他の菌が混じった可能性もゼロということになります。
含まれないがシトリニンのような腎機能障害発生…?
問題なのはこのシトリニンにより腎機能障害を発生させる健康被害が偶然にもシトリニンが含まれない紅こうじでも同じ被害が発生した点です。小林製薬の発表では当該製品には想定される物質、つまりシトリニンは含まれておらず他の有害な成分も全く見つからなかったという趣旨の発表しています。ただし記載を見る限りでは第三者機関が分析したという表現はないと考えられます。
同社の発表でも『紅麹原料に当社の想定していない成分を含む可能性が判明しております』と繰り返しており、紅こうじの未確認の有害成分により結果的に人体の健康を侵した可能性が考えられますとしています。
結論としては紅こうじそのものの安全性については小林製薬によるとあくまで現在問題が生じているのは一定期間製造されていた特定のロットの製品で発生したとしています。つまり問題が生じていないロット以外では健康被害はでていないということになるのですが状況は変わる恐れがあり注意する必要はあります。