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今月29日、2回目の記者会見を開いた小林製薬。一連の紅麹に関する腎障害事案に関するものだったものの、同社は毒性のあるプベルル酸を25日に検出し資料を当局に提出していたにも関わらず記者会見では自ら存在を認め説明することを行なっていませんでした。

29日の記者会見については小林製薬側は冒頭、10分程度現状などを説明し具体的に何が原因で腎障害を発生させたのかまたその可能性があるのかという発表はなく直ぐに質疑応答というよくわからない対応になりました。

小林製薬は以前として腎障害を発生させたのはよく分かっていないと繰り返し、未知の成分という内容については『既知の成分により発生したのだろう』という説明を変化。この言葉の変化については既知の物質とはプベルル酸と考えられます。

しかし小林製薬側からは冒頭から一切『プベルル酸』という言葉はでませんでした。この言葉がでたのは会見が進んだ段階で記者が「厚労省がプベルル酸と説明している」と質問したことで始めて小林製薬が存在を明らかにしたということになりました。

当時、同じ時間帯に厚労省も一連の事案について記者会見を開いており、こちらでは小林製薬側から当局に対して説明があったとしてプベルル酸が検出されたことを発表していました。つまり小林製薬は29日に記者会見を行なっていた時点でプベルル酸の存在を確認し資料として機関に伝えていた関わらずなぜか会見の場では説明していなかったことになります。

なぜこのような対応を行なったのかは明らかになっていません。
この点について記者から質問があり「厚労省が発表したのに会見で発表しなかったのか?」という問いについて「文献調査が追いついていない。正直、どのような症状があるかひもづけていない」「事前に把握していなかったので準備できなかった」などと回答をしています。この発言をしたのは同社の食品カテゴリー長つまり部門のトップです。

厚労省によるとプベルル酸の説明は小林製薬側から説明があったとしてます。繰り返すように29日のマスコミを前に行なった記者会見では小林製薬側は少なくとプベルル酸を知っていたということになります。小林製薬がこの成分を発見したのは記者会見が行われる前の25日です。資料でも「健康被害が出たロットに予定しない物質のピークを認めた」としてHPLC、高速液体クロマトグラフによる分析でプベルル酸と同定されたと記載しています。

つまり小林製薬の対応は厚生省側にプベルル酸の存在を明らかにしたものの、記者会見でマスコミにはプベルル酸を隠したということになります。なぜこのような2重の対応を行なったのかは上記の通りです。(参考)

小林製薬については対応が報告を受けてから2ヶ月以上も伸びたことによる隠蔽体質の懸念以外も、この間に同社の株価が不自然に下落するなどインサイダー疑惑について質問を受けるなど疑惑・疑念があるという状態になっており、今後の対応について注目されていくものと思われます。

ちなみに30日午前時点で小林製薬のホームページで『プベルル酸』という文字列は存在していません。