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近年AIという言葉をつければ最先端の端末のような印象があるのですが、一方で機能は極めて限定的で小さい端末に搭載できるAI機能は従来型と変わっていません。一方でそんな小さい端末としてHumane製のAI Pinという服につけるタイプの新しい端末のレビューが解禁されたものの、天気すらまともに答えられないゴミだったと報告されています。

 AI スタートアップとして昨年1億ドルを調達することができたという謎の企業Humane。その企業はウェアラブル端末としてスマホと連動できる服に取り付ける端末「Ai Pin」を開発しそのレビューが解禁となりました。

この端末は写真を撮ったりテキストメッセージを送った、ユーザーの手のひらにレーザーで視覚的なインターフェースを投影しChatGPTのように賢いバーチャルアシスタントも搭載。ユーザーの求めるウェブ検索やコミュニケーションに常時対応することで人々がわざわざスマートフォンを操作しなくてもよい…というウリ文句で開発されたものになります。

その価格は699ドル、日本円で10万円。さらにT-Mobileを通じた無制限の通話、テキストメッセージ、データ通信に月額24ドル(約3642円)の費用が毎月かかります。

服につける…ごみ!

この新しい端末に多くのガジェット系の人は期待することになったのですが、残念ながら全くの期待外れだったとしています。

Humane's AI "Pin" Is a $700 Flaming Dumpster Fire
https://futurism.com/humane-ai-pin-dumpster-fire

端末は55gで服には磁石をつけて挟むようにとりつけるといいます。磁石はとても強くかりに落下させても特に問題はでなかったとのこと。

しかし、Ai Pinそのものの性能が低く基本的な機能さえ正しく動作していません。記事ではスクリーンのない襟に取り付けられたデバイスを操作すること自体がまったくの悪夢だと表現されています。そのレベルは現在の天気さえ正確に報告できない程度です。

ユーザーによると20分間使用した動画で連絡先の一人に本を購入を頼んだものの、その後に突然メッセージを送信しようとし「まって、メッセージはおくらないでくれ」と語りかける場面もXで投稿しています。つまり何らかの発音や音を誤って認識したことで勝手に他人とコミュニケーションを取り始めそうになる誤動作が発生したとしています。ただこのような異常な動作はスマートフォンでも発生しているため必ずしもこの端末に限定した問題ではありません。

ただし様々なメディアはこのようにレビューしています。
Wired は「不格好すぎる」「制限が多すぎる」と評価。 Engadget は「何も解決せず愚かな気分になる」と酷評。ワシントン・ポスト紙は記事の中でもう少し慈善的な姿勢を示し「ここには良い製品の片鱗がある」と一応それなりの褒め方をしていたとのこと。

この端末は投影するということもできるのですがそれも全く使い物にならないとしています。購入者によると「このプロジェクターの720pの解像度はクソで緑色の光しか投影しない。その光の下にいない限りテキストを手に投影するのに十分な機能を果たせない。外では見えない」とのこと。

記事では「非常に高価なデバイスであり単に時代を先取りしすぎており、スマートフォンを魔法のように使いこなすことができないAIの限界について学ぶ上でイライラする。おそらく無駄な練習です」と記載してます。