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イランからの支援を受けているテロリスト『ハマス』によるイスラエル侵略により始まった一連の戦闘。これに関してイランはイスラエルから受けた軍事攻撃の対応として報復攻撃を行なったとしているのですが、その規模はどのようなものになっているのでしょうか。

今回のイラン側の攻撃はイスラエルによるハマス攻撃の報復ではなく、あくまでイラン側がイスラエルから受けた軍事的攻撃による報復となっています。

既に報復攻撃は行われたのですが、イランからはなんらかの弾道ミサイルを発射したとしているもののイスラエルの被害は不明です。撃墜されたのか、忖度して人口密集地をさけて着弾させたのか、そもそも命中精度が低いのかは不明で、14日午前8時時点で被害はイスラエルからの公式発表はありません。

また無人機です。これについては情報が錯綜しており、イスラエル側は150機程度のドローンを識別していると発表。イラクの複数の安全保障関係者は数十機のドローンがイランからイスラエルへ向けてイラク領空を飛行するのを確認したと述べています。またイラン軍、イラン革命防衛隊は数10機のドローンとミサイルを発射したと説明しており「100機以上」というイスラエル側の発表とは明らかな乖離があります。

▼イランから発進したというドローン群

明らかに本気ではないイラン

今回の第一弾とする報復攻撃を見てわかるのは攻撃の本気度です。

イランが保有する弾道ミサイルなどを見ても発射された数が少なくドローンについても局所的に攻撃できる低威力のものです。つまりイラン側は明らかにイスラエルへの報復というよりもイラン国内に高まる反発、特に対応が甘いと弱腰姿勢に対応したという印象が強く本格的な攻撃とは程遠いものになっています。

その理由についてはあくまで『報復』という対応にすぎないためです。あくまでイスラエルが行なった攻撃規模の報復であるためイランとしては規模を冷静に考えた判断をとったと考えられます。

背後のアメリカの存在感と核

今回の攻撃を受けてアメリカはイスラエルを防衛するという意思を既に明らかにしています。つまりこれまでアメリカがイスラエルに対して「やりすぎだ」と抑えるよう促していた対応が一転する可能性があります。

イランの報復についてはアメリカやイスラエルを本気にさせるほどではありません。
明らかに被害が出過ぎないような攻撃を意図的に行なっていることは確実です。その理由もイスラエルはイランに対して本土を攻撃するようなことは行なっていないこと考えればバランスのとれた報復と考えられます。もちろんイランもアメリカでてくるような規模では攻撃は行えません。

今後イスラエル側の対応次第ではさらなる規模の拡大も考えられるのですが、イスラエルが保有するとされる核攻撃に晒される可能性があり下手に手出しもできないという状況であり考えられた報復規模です。

イランとしては無人機を実戦で使える機会となり、イスラエルのアイアンドームが作動すればイランの無人機も届いたという映像が撮影されるためイラン側も何らかの被害を与えたと国内向けに報告できるためいろいろと都合がよいということになりそうです。