M1

アメリカが現在主力戦車として運用しているM1シリーズの戦車。この戦車をベースに火力のない戦闘工兵車M1150 ABVも製造されているのですが、先日ウクライナで撃破されたこの車両から砲塔部分の珍しい複合装甲が撮影されました。

今回ロシア側により撮影されたのはアメリカでも239両生産されているM1150 アサルト ブリーチャー ビークルの破損した車両です。

First Confirmed Abrams Tank Variant Captured By Russia Seen With Inner Armor Exposed
https://www.twz.com/land/first-confirmed-abrams-tank-variant-captured-by-russia-seen-with-inner-armor-exposed

M1_1 爆発反応装甲

M1150

こちらが破損したM1150 ABVと運用されているときの参考写真です。M1150 ABVと戦車のM1の砲塔
部分は形状が同じなのかは不明です。ウクライナで撃破されたのは2024年2月22日に1両、3月3日にも1両で写真のものはそのどちらかということになります。

The Warzoneによると撃破されたものベースとしてはM1戦車の最新の装甲パッケージが含まれていないモデルという意味合いで報じており、専門家の話として「M1A2 SEP V2 および V3に搭載されているような劣化ウラン装甲も当然搭載されていないと説明しています。

M1150_側面

M1150_側面1
そしてこちらの映像は車両側面に搭載された爆発反応装甲と考えられる構造です。このように装甲板のようなものが斜め下方向に5~6枚入っておりその間に爆発物がサンドイッチされている構造です。装甲版のような厚みは2cm程度あると考えられます。

写真を見て分かるのは1枚目の写真から車両の左側が大きく破損していることから地雷かなにかの大きな爆発があったと考えれます。

そのうえでこの車両をロシアを手にしたところで奪われる技術というのは最低限のものになるのではないかと見ているのですが、ロシアがエイブラムス戦車ファミリーの有効性と脆弱性をより良く理解するためにそれに、独自の兵器を使用する破壊実験にも使用される可能性があるとしています。



この車両は日本語では突撃啓開車両というもので一体何をする車両なのかというと、主に地雷原を突き進む進路を確保するという任務をこなすもので、主砲などは搭載されていないないもののロケットで爆薬を展開し車両から100~150ヤード前方まで爆破させることで地雷原や埋められた即席爆弾を破壊するということも行なっています。