Razor P100

戦場のトレンドと言えば無人兵器。アメリカのメイマン エアロスペースは全長がヘルファイアの1.5倍程度しかない機体に2基のヘルファイアを搭載・発射できるという機体を発表しました。

現在運用されている小型ドローンは大きく2つ、自爆するタイプの欧米ではカミカゼドローンと呼ばれているタイプ、そして爆弾などを積んで投下する再使用可能タイプです。今回紹介するRazor P100は後者の再使用可能な機体です。

Mayman Aerospace set to unveil futuristic Razor P100 drone
https://defence-blog.com/mayman-aerospace-set-to-unveil-futuristic-razor-p100-drone/

最大の特徴はそのペイロード容量において世界最小の VTOL 航空機となっている点です。ヘルファイアの全長は163~180cm程度となっているのですが、比較すると機体の全長は250cm未満と考えられます。この小さいサイズにもかかわらずRazorは10倍大きいサイズの航空機に匹敵するペイロードを運ぶことがでるという特徴があるとのこと。

そのペイロードを支えているのは機体側面に付けた4つのエンジンでこれをF-35Bのように稼働させることで垂直離着陸機として運用できます。

公式によると最大飛行速度は時速500マイル、800km/hに達すると発表しており、ヘルファイア以外もジンバルボールを搭載することにより戦術的な偵察活動なども行えるようになっているとしています。

最大のデメリット…熱と音か?

この機体についてはヘルファイアを2つ搭載することができ対戦車ヘリ、場合によっては同等の兵器を運用できる無人攻撃機に匹敵する能力があるものの、問題になるのはエンジンがむき出しで赤外線に激しく反応してしまうという点です。

つまり敵から発見されやすい欠点があるということになるのですが、さらにジュエットエンジンを搭載しているため激しい音がでることも容易に想像できます。そしてサイズも対戦車ミサイルの弾頭を載せた一人称ドローンに比べて明らかに巨大であり目視でも発見されやすいというデメリットもあるかもしれません。

つまり現在ウクライナで使用しているようなプロペラドローンに比べるとペイロードが多く航続距離は長いものの、一方で発見されやすく攻撃に晒される可能性も高くなる可能性は少なからずあります。

実際の戦場でどの程度有効な兵器となるのかは結局は使ってみないと分からないのですが、ドローン戦争黎明期といえる現在、各国で様々な兵器が今後登場してくことを伺わせる機体となっています。