B-2

世界で唯一アメリカが配備している大型ステルス爆撃機B-2。あまりに高価で維持費用も莫大であるためアメリカしか運用できない機体ですが、2022年12月に滑走路で炎上したB-2について修理を行なわず廃棄する決定が下されたと報じられています。

The Warzoneによると、2024年4月にアメリカ国防総省発表した年次兵力構成報告書の内容として2022年に破損したB-2について修理にかかる費用と修理の複雑さから再就役は不経済と判断され廃棄されるとしています。

Damaged B-2 Won't Be Repaired, Fleet To Shrink To 19 Jets | The War Zone
https://www.twz.com/air/damaged-b-2-wont-be-repaired-fleet-to-shrink-to-19-jets

ただし記事ではこのB-2の残骸はどのように管理されるのか、どのように処分されたり、場合によってはパーツが他のB-2に再利用されるのかなども問い合わせたもの、既に発表されている以上の回答はなかったという趣旨の内容が記載されています。

今回廃棄が決定したB-2は2022年12月に飛行中に何らかのエラーが発生しホワイトマン空軍基地に緊急着陸しました。着陸には一応成功したものの機体は滑走路から左にずれる形で停止。左の降着装置が故障したのか傾いた状態で地面に翼を付けており、この時炎上したとされています。



この事故を受けてすべてのB-2は実に半年間もの飛行中止措置となりました。

B-2は現在のノースロップ・グラマンが開発・製造した機体で1980年代にこれを実現し合計で21機生産しました。一方で事故も度々発生し2024年現在、重大な損傷を受けていない機体は18機で再就役可能な機体も含めると19機ということになります。全損した事例は2008年にグアムで墜落した機体、そして今回の何らかの飛行中のトラブルで着陸後問題を起こした2022年12月の2機ということになります。

既に後継機があるB-2

今回なぜ修理しない判断になったのかは莫大な修理費用と年月がかかることが理由です。例としてより小型のF-22では滑走路を滑る事故を起こした結果、修理に5年の歳月がかかりました。その修理費については非公開となっているのですが、B-2に関しては近い将来、既に初飛行も行なっている後継機B-21の開発が進んでいるためわざわざ修理してまで再就役は必要ないとの判断となったと考えられます。

▼初飛行したB-21