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現在旅客機などをベースに運用している空中給油機。戦闘機や爆撃などの行動範囲が広くなり潜在的な攻撃能力の底上げも行える非常に重要な機体になるのですが、これに関してロッキード・マーティンはステルス使用にした機体を公開しました。

The Warzoneによるとロッキード・マーティンが公開したアメリカ空軍が提唱している次世代空中給油システムNGSAに関して、ステルス仕様を取り入れた機体レンダリングを公開しました。

https://www.twz.com/air/new-skunk-works-stealth-tanker-concept-unveiled
New Skunk Works Stealthy Tanker Concept Unveiled | The War Zone

空中給油機は現在一般的に旅客機や輸送機などをベースに開発・運用されているのですが、なぜステルス機にする必要があるのか。それはこのような機体が敵の攻撃に対して脆弱であるためです。現にウクライナではロシア軍の同じく輸送機をベースにした早期警戒管制機が撃墜されるなどしており、同様のことがアメリカで発生しないことはありません。

つまり、敵の防空ミサイルが飛来する可能性がある空域、敵の戦闘機が飛来する可能性がある付近では空中給油機を飛ばすことができず活動の幅が制限される可能性がありアメリカが想定するハイエンド紛争の場では従来の空中給油機は生き残ることが難しいと想定しています。

そこでロッキード・マーティンはステルス機とすることで脅威を避けるという案をだしたということになります。

The Warzoneによると公開されたレンダリングの興味深い特徴の1として、主胴体の下の中央に取り付けられた空中給油ブームについて記載しています。一般的にブームを備えた従来の空中給油機は尾翼の下に構造を設置していました。

しかし、ステルスに保つためか使用しないときは内部に収納するのか、胴体の下面とほぼ同じ高さにすることで、新しいブームの位置はこの場合理にかなっていると予想しています。

いずれにしても現在の戦力を維持するには空中給油機は必須です。見た目については従来の機体に比べて大幅に小さいことを考えると給油可能量は少ないと考えられます。つまり今後登場する機体はステルス技術を取り入れたものかつ前線で運用する高性能な空中給油機と従来型の2機種が開発されるという未来も見え隠れしています。