AN-ALE-55

アメリカの軍事大手BAE Systemsは1996年以降運用されているAN/ALE-50デコイの後継・発展型となるAN/ALE-55の開発を米海軍から選定されたと報じられています。

デコイ、おとりについては戦闘機のミサイルに比べて非常に影の薄い存在になるのですがパイロットを守る装置としてとても重要なものになります。

BAE to develop new countermeasure system for US Navy jets
https://defence-blog.com/bae-to-develop-new-countermeasure-system-for-us-navy-jets/

開発されるAN/ALE-55はどのようなものか。これは作戦空域などで翼下部に搭載された格納ボックスから展開しはるか後方を曳航しながら飛するもので敵の誘導ミサイルをパイロットが乗る機体と欺くなどして守るという装置になります。

AN/ALE-55は 光ファイバー接続された牽引デコイで最新の妨害技術を利用することで敵のレーダーを妨害し放たれたミサイルを航空機から遠ざパイロットを守ります。

無線周波数 (RF) 対策手段としてデュアル バンド デコイ (DBD) として開発・搭載するものでBAEシステムズは「デュアルバンドデコイは、さまざまな航空機に搭載できる幅広い機能を提供可能で将来の脅威に対処するためにアップグレードも可能です」と話しています。

デュアル バンド デコイには、BAE Systems の集積回路が組み込み従来よりもサイズ、重量、および電力要件を削減。パフォーマンスと機能を強化します。また高度な脅威を検出・対抗するために完全な電磁スペクトルを利用することでプラットフォームの周囲に保護領域を構築することを目的としていますとのこと。

▼F-16荷搭載されたAN/ALE-50
F-16CM_2030_Turku_Airshow_2015_04_pylon

AN/ALE-50は現時点ですべての機種が搭載しているのではなく主に一部の戦闘攻撃機と爆撃機に限られています。具体的には空軍機のF-16とB-1爆撃機、海軍機であれば主力のF/A-18E/Fです。新たに開発されるAN/ALE-55もまずはF/A-18E/Fに搭載し試験するとしており、特に敵との最前線に晒される海軍機を優先配備を目指すということになります。