ロシアからの攻撃が強まっているとされるウクライナ東部地域。今回どこで撮影されたものかは不明ですが、ウクライナの小型ドローンがロシア軍の戦車を一撃で破壊する映像が撮影されました。
Ukrainian drone vs. Russian tank
— NEXTA (@nexta_tv) May 19, 2024
Roasting well done 🔥
Video: Strike Drones Company pic.twitter.com/wxAEMW2iaK
こちらがその映像になるのですが、ドローンは画面向かって左側。戦車から見ると右側面後方から飛来し衝突、何らかの弾頭が起爆し戦車が爆発という映像になっています。
この大規模な爆発についてはドローンに搭載した爆薬(多分対戦車ミサイルの弾頭)により発生したものではなく、このドローンに搭載した弾頭、おそらくメタルジェットと呼ばれるものが戦車内部に達し、砲弾の薬莢・火薬が収まっているところが燃えたために爆発したことで発生したというものです。
多少この内容は間違っている可能性が高いのですが、いずれにしても戦車内部の砲弾が誘爆したことでこのような爆発が発生したということには間違いありません。
▼T-72における砲弾配置などの配置。自動装填装置分については戦車の底に収められている
今回ウクライナが用いたドローンは、映像ではギリギリ映る程度の非常に小型なものですが、このように戦車を一撃で破壊するときがあるというものになっています。その理由は旧ソ連製の戦車は自動装填の構造上の理由で戦車内部の空間、つまり人間がいる空間に砲弾を収める方法となっています。
この場合、敵の砲弾や対戦車ミサイルのメタルジュエットが貫通し車内の砲弾に達し誘爆すると今回のような極めて致命的な爆発を引き多します。その規模は非常に重い砲塔すらも吹き飛ぶ規模の爆発です。
映像の戦車は旧ソ連製の派生型、予想ではT-72ファミリーと考えられます。SNSでは昔からT-72といった旧ソ連製の内部構造は「問題はない」などという指摘も一部あるのですが、残念ながらそうではない場面も多く見られます。ただ、全ての旧ソ連製の戦車がこのような爆発を引き起こすというものでもなく、過去にドローンが5機ほど突っ込んだものの爆発は起こさないケースもあります。言い換えれば今回の爆発というのはそう発生するものではないとも言えます。
ただこのような爆発については湾岸戦争時にイラク軍と戦ったアメリカ側が旧ソ連製の戦車が次々に誘爆しする様子を見て『Jack in the BOX(びっくり箱)』と呼んでいたというのは有名な話であり、いずれにしても明らかな構造的問題から発生するというものであり、既に米軍側も認めているということになります。
▼現代のJack in the BOX(びっくり箱)となったロシア軍のT-90。画面左上から砲弾らしきものが飛翔し命中した。
Closeup of the Russian T-90M taking a Ukrainian ATGM outside of Makiivka. https://t.co/g6Yt7vKaiX pic.twitter.com/EniP62hNyr
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) October 8, 2023