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海岸に行くと無数に存在する石。イングランド北部のカンバーランド議会は先日、この地域の全ての海岸で小石を持って帰ると最大で1000ポンド、約20万円の罰金を科すと発表しました。なぜ石なのでしょうか?

海岸に打ち寄せる大量の石について日本では常識的な範囲、営利目的でもなければ基本的に自由に持ち帰っても罰せられることはありません。それが例えば富山や新潟といった翡翠という宝石質の石が取れる地域であっても保護区以外は自由に持ち帰れます。

Scientists Reveal Why You Should Never Take Pebbles From The Beach : ScienceAlert

いっぽうでイギリスでは異なっており、1949年の海岸保護法に定められた法律で海岸からいかなる材料も持ち去ることが違法と定められています。つまり石もその一つですが、その理由は建築資材用として堆積物を大量に採取する人々により海岸から何十万トンもの堆積物、つまり石や砂といった素材についても奪われたことがありそれを抑制するためだといいます。

ただ現在は個人が小石を持ち帰るレベルではうるさく言われないと考えられるのですが、今回の法案については違うといいます。現在建築資材として持ち帰る人はいないらしいのですが、多くの人が記念みたいな感じで石を持ち帰った場合、結果として海岸の浸食が早まるという問題があるとのこと。

研究者によると、海岸の小石は波のエネルギーを吸収しておりその小石が持ち去られると結果的に陸地の侵食を食い止める自然の防護壁としての機能が低下してしまうとのこと。

また最近の顕著な気候変動により海岸線の侵食はリスクは高い状態にあり海岸の堆積物を保持することが求められるとしています。