USS ハーダー1

アメリカで第二次世界大戦中に沈没した潜水艦を探しているティブロン・サブシー社によると、日本海軍の駆逐艦を3隻も沈めるなどアメリカ海軍史上でもトップクラスの成績を収めていたガトー級潜水艦ハーダーについてルソン島沖で沈没してる様子を初めて発見したと発表しています。

このティブロン・サブシー社は第二次世界大戦中に沈没した52隻の潜水艦についてその所在を突き止めることを中心におこなている民間調査・探査組織です。ロスト52プロジェクトとしてこれまで未確認だった6隻の潜水艦の所在を明らかにしています。

USS Harder, famed and deadly World War II sub, finally found
https://taskandpurpose.com/history/uss-harder-submarine-wreck-world-war-ii/

そんな中今回発見されたのは見出しでも紹介した用にアメリカ海軍の潜水艦で予想では最も多くの駆逐艦を沈めた最優秀艦の一つと考えられるSS-257 ガトー級潜水艦ハーダーです。

同社によると、2024年5月23日フィリピン沖、ルソン島付近の海面下3,000フィートの海底で発見されたと発表しました。

USSハーダーはサミュエル・ディーリー中佐という非常に優れた艦長の指揮のもと日本海軍の艦艇を出撃するたびに次々撃破していくというまるでゲームレベルの戦果を次々とあげていった人物でした。沈められた駆逐艦は睦月型駆逐艦「水無月」、夕雲型駆逐艦「早波」、陽炎型駆逐艦「谷風」です。

1943年6月以降合計7回出撃したハーダーはその6回で撃沈、もしくは航行不能にさせるという非常に優れた戦闘を続けていたもので1944年8月に日本海軍の第22号海防艦にソナーにより探知され爆雷などを投下その後、重油などが海から浮かび上がりハーダーを撃沈したとと判断されました。

USS ハーダー

こちらが同社により発見された現在のハーダーです。このように艦橋の左側面に大きい穴が空いており、爆雷が至近距離ではなくほぼ直撃する形で命中し轟沈したものと考えられます。ハーダー前方の舵は下を向いており逃げようとしていた姿が分かるなど沈没した当時の姿を物語っています。

また潜水艦と同じくこのフィリピン周辺での戦闘で沈没した数隻のアメリカ艦艇のうちの1隻を発見しており、最近ではサマール島沖海戦での活躍で有名な USSサミュエル・B・ロバーツ号などがあるとしています。