疾病対策センター（CDC）によると今年4月テキサス州で初めて人への鳥インフルエンザ感染が確認されて以降、わかっているだけで3人目の感染者が出たと発表しました。この3人はいずれも牛から直接人間に感染したものだと断定しており、現時点で人人感染は無いとしています。

Bird Flu: Third Human Case in US Emerges After Dairy Cattle Outbreak : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/bird-flu-third-human-case-in-us-emerges-after-dairy-cattle-outbreak

記事によると、2024年5月29日に確認されたもので、この人の症状としては発熱のない咳、目の不快感、涙目などです。抗ウイルス薬オセルタミビルで治療され自宅隔離後、症状は治まったとしています。

ただこの症状について前の二人は結膜炎など目の軽い症状のみ見せていたものの咳がでるなどインフルエンザなど風邪ウイルスに近い症状を見せた最初の例だったとしています。

HPAI H5N1

アメリカで人への感染が確認されているのはHPAI H5N1という高病原性鳥インフルエンザウイルスで鳥に対しては高い致死率があると考えられます。既にアメリカでは鳥以外も含めアルパカなど50種以上の動物に感染していることが確認済みです。

問題はどのように感染したのかです。
その前に鳥から遺伝子などが異なる乳牛といった動物には通常は感染し辛いのですがその理由は2つ考えられています。一つは遺伝子が変異し牛といった家畜により感染しやすくなった可能性です。もう一つはアメリカでは鶏の排泄物を細かく砕いて牛に与えることが許可されており、専門家らからは危険性を指摘されています。アメリカ当局や飼料業界はこの主張に異議を唱えているのですが科学的に根拠を示しているのかは不明です。

一方で人への感染があるということから保健当局は乳牛と密接に接触する労働者に対して防護服の着用を推奨しているもののこの感染者は着用してませんでした。つまりそのような環境下では比較的容易に人へ感染する可能性が考えられるということも示されています。