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アメリカの民間企業スペースXは日本時間6日夜、スターシップ4回目となる試験打ち上げを実施しました。今回の試験は下段のスーパーヘビー、上段のスターシップを安全な速度で着水させるという目標でしたが、機体を壊れながらも帰還に成功させることに成功しました。

世界最大のロケットStarship。現在アメリカの今後の宇宙開発の中核を担うであろう超大型ロケットとして全段再利用可能という、世界標準ロケットの数世代先を行くほどの、飛び抜けた性能のあるロケットを開発しています。


その4回目の打ち上げは、主に3回目の打ち上げと同様内容で実施されました。この3回目の打ち上げでは下段のスーパーヘビーは高速で海上落下となり破壊。上段のStarshipはスラスター系統が詰まるなどして姿勢制御ができなくなり再突入時の熱で破壊されました。

今回の4回目は上段、下段とも安全な速度、姿勢で着水できるかという点で試験されました。結果は成功となりました。

こちらは下段のスーパーヘビーの着水の様子です。非常に安定した速度・姿勢で落下しておりほぼ100%予定通りの着水となったと考えられます。

一方で上段のStarshipです。こちらはより高速で大気圏再突入となるため高温・高圧となり非常に過酷な状況となるのですが、結果としては成功となったものの姿勢制御も行う上部のフィンが熱で壊れ分解する様子がライブ中継するという前代未聞の映像を届けてのものになりました。


その映像になるのですがStarshipの尖端付近についているイカの耳のようなフィン部分に付けられたカメラが撮影した映像ですが、フィンの付け根部分が徐々に熱で破壊され、最後は骨組みが見えるという非常に危険な状態に陥りながらの大気圏再突入となりました。

以下は熱で溶けながら帰還する様子を撮影したスクリーンショットです。
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その後Starshipは垂直状態となり0km/hまで減速、着水を成功させました。

仮にこの部分が脱落すると安定性が極端に悪くなることが考えられ、錐揉み状態になってしまった可能性があります。打ち上げオペレーターの画面では熱警告が凄いことになっていたと考えられるのですが、エンジンパワーと制御技術もあって優秀な設計のもと帰還することができました。