アメリカで2023年5月に発生したF-15戦闘機がブレーキ周りのトラブルが発生し滑走路を走りすぎその先にある沼に落ちた事故について、管制塔のやり取りとブレーキの操作ミスにより発生したとしてパイロットの責任となったと報じられています。
昨年オレゴン州クラマスフォールズ近郊のキングスリー飛行場で発生した、ブレーキが壊れたF-15が沼に突っ込むというかなりの被害がでた事故。実はこの事故、飛行前から着陸まで明らかにヒューマンエラーが立て続けに発生したことで発生した事故となりました。
F-15 pilot's landing miscue, confusing radio call led to crash in ditch
https://taskandpurpose.com/news/f15-crash-investigation-oregon/
トラブル発生はやはりパイロットにもありそうなのですが、適切な点検を怠っていたことにも問題がありました。
この事故機となったF-15は整備員が離陸前に戦闘機の点検を行ったものの油圧システムに「壊滅的な」亀裂が見つかる可能性があったことがわかっていました。同機は2週間前に油圧システム全体を洗浄して以降飛行しておらず離陸前に少なくとも1つの機体整備ドアの内部に漏れ出た油圧液の痕跡が見つかっていました。つまり、何らかの漏れや破損がある可能性がわかっていたのですが、乗務員つまりパイロットは漏れを探すためにシステムに圧力をかけず飛行可能と宣言していたといいます。
なぜこれをパイロットではなく整備士側が行なわなかったのかは記載はないのですが詳細は不明です。
機体は着陸できたもののパイロットはブレーキだけでは減速が不十分であることに気付いたといいます。滑走路の半分ほど進んだところでパイロットは「ゴーアラウンド」、つまりエンジンを点火して再び離陸することで時間を稼ぐのではなく、他の緊急手順で着陸を続ける判断をしました。
この時使用するのは機体の取り付けられた着艦フックのような緊急停止用のフックです。滑走路には機体を緊急停止できるようにケーブルを展開できるようになっており、機体はフックをつかってケーブルを掴むことを行います。
▼フックを展開する試験
しかしパイロットは管制塔側に「ケーブル!」と1回しか連絡をいれませんでした。通常は「ケーブル、ケーブル、ケーブル」と3回繰り返す規則になっていたものの1回しか言わなかったため管制塔側がっパイロットがケーブルが邪魔でグチグチと文句言うことがあるため「ケーブルが邪魔なんだろう」と思い引っ込めてしまったといいます。
つまりこの時点でブレーキが故障した状態のF-15はケーブルを掴みそこねてしまいそのままでは沼に突っ込むおそれがありました。その後直ちに「ケーブルが必要だ、ケーブルを上げろ!ケーブルを上げろ!」3回ではなく4回繰り返したものの通過してしまいました。
結果的にF-15は滑走路内で止まることができず沼地に突っ込み3550万ドル、40億円を超える損害を出す事故となりました。
F-15 pilot's landing miscue, confusing radio call led to crash in ditch
https://taskandpurpose.com/news/f15-crash-investigation-oregon/
トラブル発生はやはりパイロットにもありそうなのですが、適切な点検を怠っていたことにも問題がありました。
この事故機となったF-15は整備員が離陸前に戦闘機の点検を行ったものの油圧システムに「壊滅的な」亀裂が見つかる可能性があったことがわかっていました。同機は2週間前に油圧システム全体を洗浄して以降飛行しておらず離陸前に少なくとも1つの機体整備ドアの内部に漏れ出た油圧液の痕跡が見つかっていました。つまり、何らかの漏れや破損がある可能性がわかっていたのですが、乗務員つまりパイロットは漏れを探すためにシステムに圧力をかけず飛行可能と宣言していたといいます。
なぜこれをパイロットではなく整備士側が行なわなかったのかは記載はないのですが詳細は不明です。
飛行中油圧異常発生
そして油圧に異常を抱えたまま飛び立ったF-15。F35とのドッグファイト訓練を行った後、大規模な油圧系統の故障が発生したことを示す警告が出たらしく航空機を安全に回復するための適切な計画を立て緊急事態を宣言し着陸態勢に入りました。機体は着陸できたもののパイロットはブレーキだけでは減速が不十分であることに気付いたといいます。滑走路の半分ほど進んだところでパイロットは「ゴーアラウンド」、つまりエンジンを点火して再び離陸することで時間を稼ぐのではなく、他の緊急手順で着陸を続ける判断をしました。
この時使用するのは機体の取り付けられた着艦フックのような緊急停止用のフックです。滑走路には機体を緊急停止できるようにケーブルを展開できるようになっており、機体はフックをつかってケーブルを掴むことを行います。
▼フックを展開する試験
しかしパイロットは管制塔側に「ケーブル!」と1回しか連絡をいれませんでした。通常は「ケーブル、ケーブル、ケーブル」と3回繰り返す規則になっていたものの1回しか言わなかったため管制塔側がっパイロットがケーブルが邪魔でグチグチと文句言うことがあるため「ケーブルが邪魔なんだろう」と思い引っ込めてしまったといいます。
つまりこの時点でブレーキが故障した状態のF-15はケーブルを掴みそこねてしまいそのままでは沼に突っ込むおそれがありました。その後直ちに「ケーブルが必要だ、ケーブルを上げろ!ケーブルを上げろ!」3回ではなく4回繰り返したものの通過してしまいました。
最後の緊急ブレーキ…「いやそれは危険だ」
実はF-15というかこのような戦闘機には緊急ブレーキというものがあるらしいのですが、ケーブルを掴みそこねたF-15パイロットはどうしたのか。実は緊急ブレーキはタイヤが破裂し、機体が高速で滑走路を外れてしまう可能性が非常に高いと判断し実施しませんでした。また当時の速度が緊急ブレーキを行うにはかなり速度、90ノットで滑走状態では危険だと判断しました。ただし規則では速度が早かったとしても緊急ブレーキを使うという指導がされていたといいます。結果的にF-15は滑走路内で止まることができず沼地に突っ込み3550万ドル、40億円を超える損害を出す事故となりました。