バイキングの短刀_1

西暦800~1000年に北欧地域を中心に活動していたという武装集団。非常に強力な装備を所持し他の地域を襲撃した記録も複数残されているのですが、そのノルウェー南西部地域で今から1000年前の珍しい短刀が見つかったと報じられています。

これはノルウェー南西部ロガランドという地域で発見されたもので、現地のある農夫が農作業をしていたところ約1000年前と推定される珍しいバイキング剣を発見したと現地メディアが報じました。

記事によると、長さは37cm程度で粘土で覆われていたため1000年もの間錆びて失われることなく保管状態が非常に良好だと専門家らの評価しています。刀を発見した農場主のオイビンド・ロブラさんは「長年放置した農場の土地の草を抜く過程で金属性物体が見えたんだ」といい「最初は古い彫刻だと思ったが何かイメージとは違っていたため念のため地域当局に報告した」と明らかにしています。

その後、調査に乗り出した現地専門家らはこの短刀がバイキング時代(793~1066年)の鉄剣であることを確認しました。X線で剣をスキャンした結果、十字形パターンのあるフレーズの輪郭が現れ刃に文字の跡も現れたことから間違いないとしています。

バイキングの短刀_2

これを根拠に専門家たちはこの剣をいわゆる「バイキングソードの中でも最も価値の高いウルフベルト(Ulfberht)」と分析した。ノルウェーのスタヴァンゲル大学考古学科ジグムント・オール教授は「バイキング時代の身分の象徴であり、剣を満たすということは特権を意味する」とし「黒いバイキング時代や中世初期のウルフベルト剣とみられる」と説明しています。

この時代のバイキングが使っていた剣は高い技術力があったといい、その水準は現代の高炭素鋼に匹敵するほど炭素含有量と鉄の純度が高かったとされています。専門家の間で当時の技術でどのように作ったかは依然として疑問があるとしているのですが、このような精錬技術の高さがバイキング反映の側面となっていたことも示唆される発見となりました。