星間雲_1

銀河系に存在するガスやプラズマが集中している星間雲。地球で発生した過去の氷河期について太陽系がこの星間雲を通過したことで発生した可能性があと研究論文が発表されました。

望遠鏡で見ると赤や黄色など美しいオーロラのように見える星間雲。このガスやチリが集まると太陽や地球といった天体が生まれるということになると思われるのですが、この星間雲に惑星系が突入するとそれなりの問題がでることが明らかになりました。

An interstellar cloud may have caused an ice age on Earth. Here's how | Space
https://www.space.com/earth-dense-interstellar-cloud-solar-protection-lost

論文を発表したボストン大学の宇宙物理学者、太陽圏の専門家である研究主執筆者のメラヴ・オーファー氏によると「この論文は太陽と太陽系外の何かとの遭遇があり地球の気候に影響を与えたことを定量的に示した初めての論文だ」としています。

▼M33銀河における星間雲
星間雲

なぜガスのような塊を通過すると地球が氷河期になるった可能性があるのでしょうか。非常に難しいことが記載されているのですが、要約するとその根本的な原因は太陽風と星間雲の物質にあるとしています。

太陽風とは磁気嵐を発生させる太陽から吹き出す極めて高温で電離した粒子(プラズマ)ですが、これが太陽系を広く多い、太陽系外から流入する強い銀河宇宙線をブロックするなど私達生物にとっては必要不可欠なものとなっています。しかし星間雲に太陽系が突っ込むと太陽風が押される形で弱まった可能性があるとしています。

記事では『太陽風が弱まる=地球が寒冷化する』という内容は記されていないのですが、過去の研究では宇宙放射線が強くなると地球で雲が作られ太陽光が遮られるため地表の温度が下がっていく…という内容を見たことがあり、このようなメカニズムが発生していた可能性があります。

今回の研究ではそこまでは指摘されていないのですが、200万年前に本当に星間雲に突入したのかは星間物質由来の放射性元素が地球に降り注いでいたかを調査する必要があるといい、例えば南極の雪や氷床コア、月で見つかった鉄60とプルトニウム244の同位体の増加から星間雲通過を説明できるかもしれないとしています。