image115

米ブラウン大学の惑星学者は欧州宇宙機関が運用している軌道上の探索機トレース・ガス・オービターが観測したデータから、火星最大の山でオリンポス山で水の霜が初観測されたと発表しています。

このデータはトレース・ガス・オービターに搭載したステレオ表面画像システム(CaSSIS)という機器により撮影した約3万枚以上のカラー画像を分析したというもので、結果、オリンポス山やその周辺のタルシス三山の頂上付近に霜が降りていることが分かりました。

'We thought it was impossible:' Water frost on Mars discovered near Red Planet's equator | Space
https://www.space.com/mars-water-frost-equator-exomars-tharsis-olympus-mons

この霜の成分は水です。トレース・ガス・オービターに搭載された分光計などでも間違いなく霜であったことが確認されておりカメラのエラーなどで出たものではなかったとしています。

観測されたのはこの地域では冬の寒い時期で、霜の暑さはかなり薄いと考えられています。長期間残るというものではなく日の出とともに気温が上昇すると蒸発してしまうとしています。推定されている霜の量はオリンピックプール60個分程度としています。

image116

想定されていなかった霜

これまで研究者はエベレストの2.5倍あるオリンポス山、標高は約30kmという規模の山であっても霜おりるとは予想していませんでした。理由はこの山は赤道付近に位置しており研究者の知見や常識でも不可能だと考えられていました。

しかし今回研究結果を示したヴァランティナス氏は「ここで霜が存在することは興味深いことで、霜の形成を可能にする例外的なプロセスが働いていることを示唆しています」と述べているように、地球の常識や通説が火星では当てはまらないと示唆してます。

いずれにしてもこの山頂で何が起こっているのか、将来有力な探査地点候補になっていることは間違いなく、将来この霜が直接観測される日がくると思われます。