原潜 台湾海峡通過

台湾メディアによると、2024年6月18日早朝に台湾海峡で中国海軍の094型晋級原子力弾道ミサイル潜水艦が突然浮上し、他の艦艇と合流し通過したと発表しました。近年見られない台湾海峡でのこの行動についてどのような意図があったのでしょうか。

The Warzoneによると掲載されている写真は当時台湾海峡でイカ漁を行っていた漁師が撮影したもので海域としては台湾本土から約201kmほど離れたところだったとしています。つまり台湾とうよりも中国本土に近いところを浮上航行していたということになると思われます。

https://www.twz.com/sea/chinese-nuclear-ballistic-missile-submarine-surfaces-in-taiwan-strait
Chinese Nuclear Ballistic Missile Submarine Surfaces In Taiwan Strait

この行動について記事ではよくわからない長文が記載されているのですが、あくまでThe Warzoneの見解としては要約すると、台湾の報道ではこの潜水艦が何らかの故障の可能性を示唆する報道がされているものの、少なくとも現時点そのような事実は確認されていないとしています。

またこのような行動は過去に確認されていたのかについては2021年にもおなじく確認されており整備のため乾ドックへ移動中に浮上航行しながら通過する様子が確認されています。

そのうえで、今回なぜわざわざ浮上したのかについてはまずこの潜水艦が航行していた水深がわずか91メートル程度、写真が撮影された海域に至っては水深がわずか50メートルしかないため、むしろ潜航航行は絶対望ましいものではないという中国海軍の動向に詳しいジャーナリストの主張を紹介しています。

そのうえでこのジャーナリストは中間線の西側つまり中国側を航行していたことなど、何らかの意図があったとしても通常考えられる行動の範囲内だとしています。

The Warzoneによると今回浮上しながら航行した理由についてはおそらく何らかの整備ため港に戻るためここを通過したのではないかと見ているのですが、SSBN、核兵器を積んだ原子力潜水艦であるため注目を集めた可能性が高いという事実は変わらないとしています。また今後も中国海軍はSSBN部隊の増強が考えられる状況でありこの海域における同様の行動は今後もますます増えるだろうとしています。

個人的な意見としては、そもそも潜水艦というのは敵に見つかってはいけない、どこにいるか悟られてもいけないというのは大前提です。そのうえで何らかの意図は少なからずあった可能性はあるものの、わざわざ弱点を曝す形で浮上航行する意味は考える必要があります。むしろ逆に潜航してこの海域を通過するという行動をとっていたほうがアメリカや台湾側は受け止めていた可能性あります。