GEエアロスペースのプレスリリースとしてオハイオ州エベンデールにあるGEの高速推進試験施設で行われた試験だとしており、このエンジンは設計作業開始からわずか11か月後となる今年3月に一連の試験を実施したとしています。

GE Aerospace tests breakthrough hypersonic dual-mode ramjet
https://defence-blog.com/ge-aerospace-tests-breakthrough-hypersonic-dual-mode-ramjet/

試験内容は性能が設定された目標を超えることができるのか、また安定した動作ができるのかが評価されたという趣旨の内容が記載されているらしいく、同社の以前の極超音速技術実証機と比較して気流が3倍に増加していることが実証されたとしています。

GEエアロスペースの防衛・システム部門社長兼CEOのエイミー・ガウダー氏は「このマイルストーンは、当社チームの並外れた才能と献身を示すだけでなく、極超音速飛行の追求における当社のリーダーとしての地位を再確認するものでもあります」とのこと。

ディフェンスブログによると「GE エアロスペースのデュアルモード ラムジェット技術は、持続的な高速飛行と運用範囲の拡大を可能にし、多目的航空機の能力に革命をもたらす可能性があります。この画期的な技術は防衛および航空宇宙分野に大きな影響を与え、戦術的および戦略的運用の両方を強化する可能性があります」と指摘しています。

デュアルモードラムジェット

このデュアルモードラムジェットとは通常、超音速飛行中でしか動作できないラムジェットエンジンにジェットエンジン機能を搭載することで1つのエンジンで亜音速から極超音速飛行できるという技術です。

通常ラムジェットエンジンは0kmでは動作できません。つまり機体にラムジェットエンジンだけ搭載しただけでは離陸できません。このような問題から例えばミサイルなどであればロケットエンジンを搭載して超音速まで加速、切り離してラムジェットを動作させるなどの『加速する装置』が別途必要となります。

このようなデュアルモードラムジェット技術ができれば理論上は0kmから加速が行えるため、次世代の極超音速飛行できる機体やミサイルといったものの開発が行える画期的な技術となります。