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ヒト免疫不全ウイルスHIV。この予防薬としてアフリカで行われた5000人を対象に行った研究によるとレナカパビルを半年に間隔で2回接種した人はHIVに感染した人が出なかったという調査結果が報告されています。

記事によると、医薬品開発会社ギリアド・サイエンシズが後援したランダム化比較試験としてレナカパビルと他の2つの薬剤の有効性を試験するために、ウガンダの3か所と南アフリカの25か所で5,000人の参加者を対象に実施しました。

HIV breakthrough: drug trial shows injection twice a year is 100% effective against infection
https://theconversation.com/hiv-breakthrough-drug-trial-shows-injection-twice-a-year-is-100-effective-against-infection-233295

結果試験の無作為化段階としてレナカパビルを投与された2,134人の女性はHIVに感染した人はいなかったとし有効性は100%だったと発表しました。一方で残りのTruvada (F/TDF、10年以上前から使われている毎日服用する薬) では1,068人の女性のうち16人(1.5%)、およびDescovy (F/TAF、TDFより優れているとされる薬) を投与された2,136 人の女性のうち 39 人 (1.8%) が HIV ウイルスに感染したといいます。

レナカパビルの特徴としては年にわずか2回、半年ごとに注射するだけでよくF/TDFといった服用し続ける手間、診療所までとりに行かなければならない煩わしさが無いという利点がありHIV感染予防として極めて有効と見られています。

この結果を受けてギリアド・サイエンシズのプレス声明では同社は今後数ヶ月以内にすべての結果を記載した書類を特にウガンダと南アフリカの規制当局に提出する予定だとしており、今後発売される予定があるとしています。

また同社はジェネリック医薬品を製造する企業にライセンスを提供すると発表しており薬価も下がることが考えられます。

HIVについては2023年では1年間に分かっているだけで130万人が新規感染しています、国連では2025年までに50万人、2030年までに撲滅するとしているものの明らかに達成は不可能です。一方でこのようなワクチンが登場することで感染者数は大幅に減少するものと考えられます。

レナカパビルについては既に日本では治療薬として承認されているものの、予防といった場合に使われている例はあるのか不明です。