T-90M

ウクライナ侵攻で明らかになりつつあるロシア軍。むしろ現代の新しい技術、兵器により昔の思想で作られた兵器が次々と撃破されているという状況ですが、オランダの軍事系メディアによると、ロシアはウクライナとの戦闘でT-90Mを100両失った可能性があると指摘しています。

プーチン大統領が過去に「世界最高の戦車」とも評価していたT-90M。この戦車は改良された旧ソ連製のT-72をベースに高価なT-80戦車の攻撃力を取り入れた車両です。このT-90も多く派生型が作られており見分けが難しい戦車の1つです。

一方でこのT-90Mについてオランダ軍事情報ウェブサイトのオリックス(Oryx)はウクライナとの戦闘がはじまって以降、少なくとも現場で撮影された写真などから判別する方法を用いて少なくとも100両以上が撃破されていると主張しています。

これまでの戦闘でT-90Mが始めて撃破されたのは2022年5月でウクライナの日刊紙キイウ・インディペンデント記者がウクライナ・ハルキウの村で砲塔から煙が出るT-90Mの写真を公開したことで確認されました。これはロシアが実践投入したことが確認されたわずか数日後のことだったとしています。

以降、他の戦場でもT-90Mが破壊される映像が続々と公開されています。今年1月にはM2歩兵戦闘装甲車がロシアのT-90Mを破壊する映像がSNSに登場。他にも対戦車誘導ミサイル(ATGM)で爆散するT-90M、野原の上にハッチが開かれたまま放置されたT-90Mが米国産M67手榴弾で破壊される映像ありました。

▼敵に弱点の側面を見せながら攻撃したことで撃破されたT-90M

このT-90が最高の戦車とされていたのは「ナキトカ」という装甲システムが外側に使われており敵が空から車両を追跡するレーダーには反応しにくくなっているため「見えない戦車」ともされていました。また敵の対戦車ミサイルを妨害するアフガネット能動防御システムがある他、最新の射撃制御システムを備えているためロシアではこの戦車が国内の軍需産業の高さを誇示する戦車の一つともなっていたしています。

しかし、現実としては西側のミサイルやウクライナの高度な自爆ドローンにより相次いで撃破しているとされています。このような発表がT-90MなのかT-72ベースの他の戦車なのかは判断は非常に難しいのですが、いずれにしても大量の最新戦車を失っていることは間違いないという印象を受けます。

参考