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ヨーロッパ大陸と東アジアを繋ぐ海運の大動脈があるアデン湾。現在イエメンの反政府組織フーシ派が通過する船舶に対して対艦弾道・ミサイル攻撃をしかけているのですが、ロシアがこの組織に兵器を供給する可能性があると報じられています。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると米国の諜報機関の情報としてロシアはバイデン政権がウクライナに兵器を輸出し米国の兵器を使ってロシア国内へ攻撃したことへの報復などという意味不明な理由で、イエメンのフーシ派に高性能の対艦ミサイルを配備させる可能性があると警告している。

U.S. Launches Effort to Stop Russia From Arming Houthis With Antiship Missiles
https://www.wsj.com/world/middle-east/u-s-launches-effort-to-stop-russia-from-arming-houthis-with-antiship-missiles-98131a8a?st=bsl75ybvbfa0la8&reflink=desktopwebshare_permalink

Intel Says Russia Looking To Arm Houthis With Anti-Ship Missiles: Report
https://www.twz.com/news-features/intel-says-russia-looking-to-arm-houthis-with-anti-ship-missiles-report

米国当局者によるとこの情報は米国の中東地域司令官が最近、ロイド・オースティン国防長官に宛てた機密文書に記載されていたものだとしています。

記事ではこれを受けてロシアとフーシ派の武器移転の可能性に関する新たな情報を受けて、ホワイトハウスは「モスクワがフーシ派にミサイルを渡すのを阻止しようと極秘で取り組み始めた」と報じています。具体的には第三国を利用してロシアのプーチン大統領に対しイランによるフーシ派への武器供給に加わらないよう説得することが含まれるとしているのですが、この第三国とはどの国なのかは不明です。

ただ、ロンドンを拠点とするニュースサイト「ミドル・イースト・アイ」によると2024年6月にロシアが以前フーシ派への対艦巡航ミサイルの提供を検討していたもののサウジアラビアに説得されて断念したと報じています。

そもそもこの情報が本当なのかは疑問があるのですが、現実的なことを考えると現在ロシアは対ウクライナ戦闘で対地攻撃用のミサイルは広く運用されているものの、ウクライナ海軍の有人艦艇は限定的な運用となているため対艦ミサイルは余っている状態です。

したがってこのような情報を出すことでロシアが西側に揺さぶりをかけ、ウクライナに対しての武器供与等の取引材料にしている可能性は考えられます。

このような情報は最近アメリカがロシア領土内の基地に限りアメリカが供与した短距離弾道ミサイル、陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)の運用を許可したことがきっかけになったとも考えられます。