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恒星を公転する天体。これを惑星としていますが、現在定義されている『惑星』に分類される3つの内容が再び変更される可能性があると報じられています。ちなみに冥王星はこの新定義でも惑星には入りません。

一昔前の惑星といえば冥王星も入っていませんでしたが、いつの日か冥王星は準惑星となり現在は惑星の分類から外されています。じつはその時、太陽系では次々と大型天体が発見されており、中には冥王星サイズのものが含まれていたことから『惑星』の再定義が行われることになりました。

現在使われている惑星の定義は以下の通りです。
  • 自己重力が分子間力を上回って静水圧平衡の形状(ほぼ球形)をとるのに十分な質量があること
  • 恒星の周りを巡る軌道にあって、かつ恒星でも衛星でもないこと
  • その軌道近くから他の天体を排除しているもの
この3つをわかりやすく言い換えると、地球のように丸い天体であること、衛星ではなく恒星(太陽)を周回していること、その公転軌道の近くに他の天体が無いことです。

冥王星が準惑星に降格されたのは特に一番最後の「その軌道近くから他の天体を排除している」という定義にひかかったためです。しかし「その軌道近くから他の天体を排除している」という定義について例えば地球についても小惑星が同じ公転軌道上にあることが分かっており「地球は惑星ではない」などという極論もでていました。

新定義案

現時点で太陽系には5000もの天体が次々と発見されており、特に一番最後の定義については曖昧であるため新たに定義がされることになったというのが今の流れになります。新しい定義案は以下の通りです。
  • 1 つ以上の恒星、褐色矮星、または恒星残骸を周回する。
  • 質量が1023kgより大きい。
  • 質量は木星の13倍(2.5 x 1028kg)より小さい。
この定義について見ていくと、第一に恒星についても褐色惑星といった太陽よりも遥かに軽い恒星を公転しているという条件も含まれることになりました。
第2、第3は質量です。例えば第2の定義は自らの天体形状を球体にするのに必要な質量とされ、第3の定義で上限が定められたのは、これ以上大きくなると巨大ガス惑星となり核融合を発生させ褐色惑星といった恒星になってしまうためです。

この基準に現在の太陽系を当てはめると、水星はギリギリ基準をクリアしているのですが冥王星は最低限の質量をクリアしておらず入っていません。

研究者は今年8月に行われる総会でこの新しい定義を提出するとしています。